研究課題/領域番号 |
23700591
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
大谷 健太郎 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (50470191)
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / 生体分子 / 超音波 / 分子イメージング / 薬学 |
研究概要 |
本年度は、生体内でホスファチジルセリンとインテグリンavb3とを橋渡しする役割を有し、アポトーシス細胞の貪食に重要なタンパク質であるMFG-E8を利用することにより、本邦で臨床使用可能な微小気泡(超音波造影剤:Sonazoid)からインテグリンavb3に特異的に集積する分子標的気泡の作成が可能か否かについて検討した。MFG-E8を仲介分子として用いることにより、インテグリンavb3発現細胞に対するSonazoidの接着性は有意に上昇することが明らかとなった。また、Sonazoid-MFG-E8複合体が超音波造影剤としての音響特性を保持できていることも明らかとなった。インテグリンavb3は腫瘍血管や新生血管などの内皮細胞に多く発現していることが知られていることから、Sonazoid-MFG-E8複合体は腫瘍血管や血管新生療法による新生血管の超音波分子イメージング用造影剤となり得る可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究目標に設定していた、MFG-E8の仲介によりSonazoidとインテグリンavb3発現細胞との接着が増強されることをin vitroの実験系で確認し、論文発表を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Sonazoid-MFG-E8複合体の生体への投与を考慮し、Sonazoid-MFG-E8複合体作成法の最適化及び簡略化の検討を行う予定である。また、担癌あるいは血管新生モデルマウスを用いて、Sonazoid-MFG-E8複合体のin vivoにおける腫瘍血管や新生血管への分子標的性の検討及び、その診断有用性について検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度も研究費の大半をSonazoidやMFG-E8等の消耗品購入に充てる予定であるが、昨年度末に採択された論文の掲載料および別刷代の支出が必要となる。また、マウスを用いたin vivo実験へ徐々に移行する予定であるため、マウス購入費にも一部研究費を使用する予定である。
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