測定法を非侵襲的に、かつホルター心電図のように携帯でき、日中や夜間睡眠中も含て長時間記録が可能な、嚥下の回数やリズムを記録する装置を考案した。甲状軟骨相当部を覆う小型装置で、赤外線センサを利用することで、不快感を感じやすい部分をなるべく非接触的に甲状軟骨の動きを計測する装置を開発した。本装置は、長時間、なるべく違和感を少なく装着でき、携帯可能であること目標としている。この装置で、安静時、食事時および睡眠時を含めた一日を通して、嚥下回数やリズムを記録し解析することで、嚥下障害の重症度や誤嚥性肺炎のリスク評価や、生活実態にあったリハビリテーションの立案、治療効果判定の資料となることが期待できる。 平成25年度も、前年度に続いて装置の開発、および情報収集を行った。検出部センサを改良し小型化を行った。またセンサ部と頸部皮膚との接着にハイドロゲル粘着テープを用いることで装着感が向上し、センサ部分はネックバンドを使用せずに安定に保持できた。初期設定の簡略化を目指したが、甲状軟骨の形状と首径の個体差によって検出に必要な初期設定が一様でないことがわかった。また一定時間後には再びキャリブレーションが必要であった。 今後の研究の展開は、皮膚の取り付け部により日常生活の支障が生じることを避けるとの前提を維持しながら、分解能より回数とリズムに絞り、小型化を目標にさらに開発することである。またこれまで発表されている筋電図や嚥下音による嚥下解析との比較を行う予定である。
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