研究課題/領域番号 |
23700596
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前田 佑輔 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (00404765)
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キーワード | 高齢女性 / 感覚機能 |
研究概要 |
前年度の研究結果から、足底面の感覚機能がバランス能力に影響を与えることが確認された。そこで今年度は、足底面の感覚機能に焦点を当てたバランストレーニングを実施することとした。10名の高齢被験者(男性4名、女性6名)に対して、感覚撹乱を用いたバランストレーニングを指導し、1か月間、週2~3回のバランストレーニングを在宅にて実施してもらった。訓練前後に、足底面の感覚機能検査、下肢筋力測定、臨床バランス検査を実施し、重心動揺データとともに効果判定に用いることとした。トレーニングプログラムは、立位で前後左右への重心移動トレーニング、片足立ち、床上座位からの立ち上がり、立位でのつま先立ち、継ぎ足肢位の保持および継ぎ足歩行の各内容をマット上で行うこととした。訓練実施後の効果判定の結果、クロステストにおける随意的な重心移動距離が特に前後方向について延長していることが判明した。 また、下肢筋力および足底面の感覚機能に著明な改善はみられなかったが、Functional Reach Testでのリーチ距離、Timed up and Go testでのタイム短縮の傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたバランス訓練の効果判定まで実施することができたため、計画通りに進行できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、下肢体幹筋の筋力トレーニングを中心としたバランストレーニング手法を用いて訓練効果の検討をする予定である。また、サンプル数を増やすため、追加実験を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
学外でデータ収集を実施する予定にしており、持ち運びのできる軽量のパソコンを購入する。その他、データ解釈用の書籍と合わせて物品費に20万円をあてる予定にしている。 学外に在籍している協力研究員との共同で実験を複数回する予定にしているため、旅費として30万円使用する予定である。 得られた結果をもとに論文を作成するため、英文校正などに残りの7万円前後をあてる予定にしている。
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