研究課題
本研究の目的は、悪性リンパ腫の診断により化学療法を受けている患者において、①有用な運動療法を開発し、②運動療法を行うことが行わない場合と比較して、疲労感減少・身体活動量向上・健康関連QOL改善につながるのかについて検証することである。平成23年度は、研究計画当初に追加し、末梢神経障害を有した患者の歩行障害を鋭敏に測定可能でかつ、外来でも測定可能な簡便なアウトカムの開発に取り組んだ。結果として、健常人と高齢者を対象に加速度・角速度ハイブリッドセンサを用いた新たな歩行解析法を開発し、その信頼性と妥当性を検証し、本研究に使用可能であることを明らかにした。平成24年度は、悪性リンパ腫の診断により化学療法を受けている患者で、末梢神経障害を有している患者と有していない患者での違いを探索することにより、効果的な運動療法開発を行った。末梢神経障害を発症または増幅させる要因について、国内外の専門から意見を頂くとともに、介入研究実施時の協力を要請した。後方視的な観察から、末梢神経障害を有している患者はHbA1cやヘモグロビン濃度といった、代謝・循環障害を有している割合が多かった。このことから、化学療法を受けている患者への運動療法においては高強の運動より中等度強度の運動が有効であることが考えられた。平成25年度は平成24年度までに行った調査から、中等度強度の運動療法を考案した。そして、悪性リンパ腫の患者に協力願い、運動の実施率を高めるために追加調査を行った。現在は、運動療法の効果について検証を行っているが、研究に同意してくれている患者が少なく十分に集積しきれていない。そのため、協力者を追加して募集中である。また、外来化学療法室において、運動実施状況と活動量の調査を行った。得た成果の一部を国内の学会で発表した。
3: やや遅れている
運動療法の効果検証に際して、研究に同意してくれている患者が少なく十分に集積しきれていない。
期間を延長すること、参加施設を増やす事により協力者の集積を図る。成果の一部を、国内外の学会(日本臨床腫瘍学会、European Society for Medical Oncology)にて発表する。
研究遂行が遅れ、予定していた国内・国際学会での演題登録に間に合わず、旅費の使用ができなかった。専門家より意見を収集予定であったが、日程が会わず、打ち合わせが行えなかった。研究成果の国内・海外での発表、専門家の打ち合わせに使用予定である。
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