研究課題/領域番号 |
23700610
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
薗村 貴弘 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40347092)
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キーワード | 味覚 / ブレイン・マシン-インターフェース / 三次元再構築 / 中枢神経 / juxtacellular / コモンマーモセット |
研究概要 |
本研究では、味覚ブレイン・マシン-インターフェースの開発に向けた脳内の詳細な味覚地図の作成を目指し、最新の細胞外記録法 であるjuxtacellular recording法を用いて、甘味、苦味、酸味、塩味、旨味の5種類の味、それぞれの味刺激を脳に与えながら、標的味覚神経細胞を単一細胞レベルで可視化し、それぞれの味が、どの位置に、どのようなパターンで情報を伝えているのかを、ダイナミックな機能的裏付けを持たせた上での形態学的な解析を進めている。 平成24年度は、juxtacellular recording法による齧歯類(ラット)における単一細胞記録を継続的に行い、これを明視野免疫組織化学法で形態学的に解析している。作製された標本は、最新のデジタル標本作製システムTOCOを用いて処理され、フルハイビジョン24インチの大画面大型タブレットモニタでトレースを行い、最新の三次元再構築ソフトAmiraで解析している。 同時に、ラットなどの齧歯類はヒトと異なる味覚の経路を持つことも知られていることなどを鑑み、ヒトにより近い霊長類での味覚神経回路網を探索する必要があると考え、霊長類(コモンマーモセット)を用いて同行程の解析ができる環境を整えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに、ラットを用いた齧歯類のデータが集積しつつあり、これらの成果発表へ向けて詳細な解析を現在進めている。また様々な手続きを要する霊長類のコモンマーモセットを用いた実験系が、当初予想していたよりも早く、しかも、本研究施設内で実用化できる目処が立っており、これに向けて鋭意環境整備を順調に進めている状況である。これにより、国内で最初にコモンマーモセットによるjuxtacellular recording法が確立する可能性も高いと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も、多くの例数から得られる齧歯類のデータを積み上げ、これらのデータによる三次元的な立体味覚地図の完成に向けて研究を継続する。またこれと同時に、現在環境整備中である霊長類のコモンマーモセットを用いた同実験系の応用を早期に軌道に乗せることを目指している。さらにブレイン・マシン-インターフェースの臨床応用に向けてその専門家である研究協力者と協議する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、成果発表における旅費、学術誌投稿費、印刷費などに本研究費を使用する予定である。
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