研究課題/領域番号 |
23700615
|
研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
滝澤 恵美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (70325976)
|
キーワード | 股関節内転筋群 / モーメントアーム / 屈曲作用 / 伸展作用 |
研究概要 |
【目的】股関節内転筋群は複数の筋で構成され、かつ筋横断面積も大きいことから内転作用以外にも機能的な重要性が予測される。本研究は股関節内転筋(恥骨筋:PE,長内転筋:AL,短内転筋:AB,大内転筋:AM)の矢状面における作用を対股関節モーメント・アーム(以下、MA)で調べ、さらに支配神経との関係を考察した。 【方法】未固定凍結遺体の下肢を用いた。関節包と内転筋以外を切離した標本を木製jigに固定し、大腿骨を屈曲伸展方向に他動的に動かした。その際、MAを算出するために骨頭および筋付着位置を3D磁気式デジタイザーで追従し、その座標値を用いて関節角度、関節中心、筋の作用線を求め三次元的にMAを算出した。なお、AMは4つの筋束に分類し調べた。 【結果】PEは屈曲方向、AMの最後部筋束(AM4:ハムストリングス部)は伸展方向にのみMAを有した。AL、AB、AM(AM1-AM3:内転筋部)は股関節屈曲角度の増加に伴い屈曲から伸展方向にMAが転換した。AMは同一筋でも筋束によってMAが異なった。 【考察】股関節内転筋群の矢状面作用によって、屈曲作用を有する筋、伸展作用を有する筋、関節の角度変化に応じて屈伸作用が転換する筋に分類できた。なお、AMは同一の筋でも筋束によって作用が異なっており神経支配にも差があった。複数かつ大きな股関節内転筋群の機能を考える上で矢状面上における作用の特徴を加味する必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的に対して成果発表を行う最終段階にある。 研究成果(学会,論文)を発表し,関連研究者や機関との新たな関係づくりもできた。
|
今後の研究の推進方策 |
データ取得,処理は終わった。 今後は成果発表を中心に行う。 本研究で得られた成果がさらに推進されるように他分野との情報交換を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
学会発表,成果発表のための活動に利用する。 本研究の成果を次のステップに発展させるための活動(他研究機関および他研究者との共同研究)に利用する。
|