本研究では,体内力源型能動義手使用者の基礎的な義手操作技能を評価する指標を作成し,臨床評価に応用することを目的とした. 開発した検査の妥当性は義手技能評価として国際標準化されたSouthampton Hand Assessment Procedure (SHAP)を用いて行うため,2011年に原作者の許可を得て2012年に日本語版を作成した.2012年には,SHAPは英国にて標準化された指標であり,英国人の標準値は明らかとなっているが日本人のデータはないため,日本の健常成人41名の利き手の値を収集した.その結果,日本語版SHAPは英国同様,日本人でも加齢による手指機能の低下を検出できることが確認できた.2013年には、既に信頼性と妥当性が検証された簡易上肢機能検査(STEF)を用いてSHAP日本語版の妥当性の検証を行った.その結果,SHAP日本語版はSTEFと極めて高い相関があることが示され,SHAP日本語版はSTEFに比べて検出範囲が広いことがうかがえた.また,日本語版の改訂を行い,SHAP日本語版version.1.1を作成した. 考案した評価表は,2011年~2013年に前腕切断の体内力源型能動義手使用者に対して臨床応用を行い,切断肢の感覚代償する機能の測定などが行えることを確認した.
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