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2015 年度 実績報告書

内側前頭前野内の機能分化の解明と内側前頭前野機能の評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23700617
研究機関埼玉県立大学

研究代表者

石岡 俊之  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (50548914)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2016-03-31
キーワード情動記憶 / 虚再認 / 腹内側前頭前皮質
研究実績の概要

リハビリテーションにおいて腹内側前頭前皮質機能を評価する際に注意抑制機能である背外側前頭前皮質の機能の影響により左右され十分に測定できないことが臨床上で問題となる.今年度は記銘時の背外側前頭葉皮質と関連する注意抑制機能による腹内側前頭前皮質機能と関連する情動刺激に対する虚記憶への影響を測定できる評価方法の開発に向けた研究を実施した.
方法は,情動価と学習容易性を統制した単語リストを提示刺激として作成した.手順は,高齢者と若年者を無作為に全リストを学習する記銘群と最初のリストを意識的に忘れる忘却群に割り当てた.学習段階では,第1リストとして刺激リストのどちらかを1単語につき2秒間でパーソナルコンピューター画面中央に提示した.続いて残りのリストを第2リストとして同様の手順で実施した.そして90秒間の妨害刺激後,再認課題として,提示した単語と未提示の単語をランダムに並べた用紙を配付し提示された単語を選択させた.測定結果として課題再認時の虚再認の出現率を信号検出理論により算出し,その結果を年齢と刺激の情動価における比較検証をした.
結果,忘却群のみ年齢と情動価の交互作用に有意差を認めた(p<0.05).その後の検定の結果,単語リストのちネガティブ語の刺激において明らかに高齢者は若年者より低下しており(p<0.001),高齢者のネガティブ語の虚再認の出現率は,有意にニュートラル語の虚再認の出現率より上昇していた(p<0.05).よって加齢によるネガティブな刺激から意識的に注意を逸らす能力の低下が,虚再認を誘発させる可能性が示唆された.
本研究の結果から本課題を行うことで背外側前頭葉皮質と関連する注意抑制機能と腹内側前頭前皮質機能と関連する情動記憶とを測定することが示唆され,高次脳機能障害を有する対象者や認知症を有する対象者へのリハビリテーション方法の開発へとつなげることが期待できる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 脳卒中後うつ症状患者の活動量を高める行動介入の効果2015

    • 著者名/発表者名
      滝澤宏和,石岡俊之,田山淳,富家直明,中村裕美,濱口豊太
    • 雑誌名

      日本作業療法研究学会雑誌

      巻: 18 ページ: 35-41

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 記銘時の色光による情動の変化が再認に与える影響2015

    • 著者名/発表者名
      槻由夏,石岡俊之
    • 雑誌名

      埼玉作業療法研究

      巻: 15 ページ: 18-24

    • 査読あり
  • [学会発表] 加齢によるネガティブ刺激への意図的な抑制と虚記憶との関係2016

    • 著者名/発表者名
      石岡俊之
    • 学会等名
      第50回日本作業療法学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2016-09-09 – 2016-09-11
  • [学会発表] 腹内側前皮質(VMPFC)損傷による“現在”、“過去”、“未来”の結びつけの失敗2015

    • 著者名/発表者名
      石岡俊之
    • 学会等名
      札幌高次脳機能障害研究会主催平成27年度特別講演会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2015-08-14
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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