研究課題/領域番号 |
23700618
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
米津 亮 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (50363859)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 脳性まひ児 / 立ち上がり動作 / 抗重力 / 運動力学 |
研究概要 |
本研究の目的は、脳性まひ児の運動発達を促進する運動発達プログラムを開発するため、歩行動作の基盤となる立位(立ち上がり動作)獲得により培われる「抗重力」方向の力を、運動力学的所見と組み合わせて測定し、体幹-下肢に求める運動を解明することである。 本研究目的を達成するため、平成23年度から3次元動作解析装置と床反力計での事前計測を数回繰り返し、同期設定などの計測方法の確認を行い、臨床研究の準備を行ってきた。さらに、大阪発達総合療育センターと大阪府立母子保健総合医療センターでの臨床研究を実施するために、これらの施設内の研究倫理委員会からの承諾を得ることができた。そして、平成23年度内にこれらの施設で、運動発達に問題のない健常児と脳性まひ児を対象に研究計測を実施し、基礎データを得ることができた。この基礎データの解析作業も実施しており、健常児と脳性まひ児の課題動作における共通点および相違点について知見を整理することができた。 このように整理することができた知見は、平成24年10月10日-13日にイタリアで開催される国際学会(4th International Cerebral Palsy Conference)に演題登録を無事終了することができた。さらに、我々の研究活動について平成24年4月26日-28日にポーランドで開催される国際学会(2th International Scientific-Training Conference)にて、総会講演の講師として招待を受けることになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、脳性まひ児の運動発達を促進する運動発達プログラムを開発するため、歩行動作の基盤となる立位(立ち上がり動作)獲得により培われる「抗重力」方向の力を、運動力学的所見と組み合わせて測定し、体幹-下肢に求める運動を解明することである。 本研究目的を達成するため、平成23年度内に計測機器の同期設定など環境設定および大阪発達総合療育センターと大阪府立母子保健総合医療センターの研究倫理委員会からの臨床研究の承諾を得ることができた。そして、これらの施設で、運動発達に問題のない健常児と脳性まひ児を対象に研究計測を実施し、基礎データを得ることができた。これにより健常児と脳性まひ児の課題動作における共通点および相違点について知見を整理するところまで作業を進めることができた。 さらに、情報公開という観点では、平成24年に開催される2つの国際学会で発表する機会を設けられる予定となっている。最後に、これらの学会発表と同時進行で学術論文の作成にも取り掛かっており、平成23年度の研究計画はおおむね順調に進行していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を推進するため、平成24年度も追加の研究計測を実施する。このことで、研究の母集団を大きくし、脳性まひ児の歩行動作獲得の基盤となる立位での「抗重力」方向の力を運動力学的所見からより深く吟味することで研究を総括したいと考えている。 今後の研究の課題点は、今回の研究が横断的知見に留まるため、脳性まひ児の立位での「抗重力」方向の力を縦断的に記録することと考えている。このような研究活動を継続することで、脳性まひ児の運動発達を発達学的観点から知見を集約することが重要と思われる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、まず研究成果の公開ということで、国際学会への参加のため研究費を使用する。また、平成23年度に得られた基礎データをより確証的なデータとするため追加計測を実施予定である。そのため、研究計測の補助人員の人件費や機材移送費として研究費を使用予定である。最後に、学術論文を作成するための英文校閲費用などとして研究費を使用予定である。
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