研究課題/領域番号 |
23700624
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
新藤 恵一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師(非常勤) (70338177)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 経頭蓋直流電気刺激 / 脳可塑性 / fMRI / 脳卒中 |
研究概要 |
本研究の目的は、非侵襲的に脳の興奮性を変化させ、脳可塑性を誘導することが可能な経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の効果を、functional MRI(fMRI)や経頭蓋磁気刺激を用いて明らかにすることである。本年度は、経頭蓋直流電気刺激装置(DC-Stimulator M、neuroCohn社製)が納入され、そのセッティングおよび刺激方法の調整を行った。具体的な刺激条件は、興奮性の陽極刺激(anodal tDCS)、抑制性の陰極刺激(cathodal tDCS)として、Nitscheら(2003)らが推奨する基準以下となる、1mAの直流電流を10分間通電することとした。また、被験者および評価者をBlindとした、Sham刺激との比較を加えることとした。一方、fMRIに関しては、MRI撮影中に実施する上肢の運動課題を検討した。この課題の実行難易度は、課題実施中の脳活動賦活の程度および範囲に影響することが予想されるため重要となる。さらに、ソフトウェアSPMを用いて、fMRIデータからfMRI画像を構築する方法を最適化するための調整を行った。今回のtDCSの刺激条件では、その持続効果は30分程度と短いことが予想される。そのため、tDCS前後に計測に要する時間、被験者の負担を考慮し、先行研究の少なさから、本研究では、fMRIによる評価を優先して行うべきであると考えた。経頭蓋磁気刺激による評価を行うとすれば、日時を変えて実施することを検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
経頭蓋直流電気刺激装置の納入に時間を要したこと。また、fMRIを実際に計測できるようになるために必要な環境整備および手技習得に時間を要したこと。
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今後の研究の推進方策 |
まずは健常者を対象に、tDCSの与える効果をfMRIを用いて評価する。その後さらに、脳卒中患者に対象を広げて研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
tDCSソフトウェアー(特注品)を購入し、tDCSとfMRIを連動させて、データの解析をすすめる。
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