本研究は、脊髄損傷および運動負荷によって神経の可塑性にどのような変化が生じるのか、またそれをコントロールするメカニズムを検討することを目的として行った。脊髄損傷後の訓練後の機能回復期(早期群)とプラトーに達した期間(遅延群)に同じ期間訓練を行い、訓練量も測定して両者の比較を行った。実験の結果、同じ期間同じ量の訓練を負荷したにも関わらず、早期訓練群でのみトレッドミル上の下肢軌道の大きさ、軌道のスムーズさに改善が得られた。また、興奮性シナプスと抑制性シナプスのバランスに差がみられ、局所のシナプスネットワークの変化が重要である可能性が示唆された。
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