研究課題/領域番号 |
23700650
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
野村 卓生 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (30423479)
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キーワード | 糖尿病 / 下肢筋力 / 理学療法 / 運動療法 / 糖尿病神経障害 / 糖尿病合併症 / 運動器 / 整形外科 |
研究概要 |
平成24年度は,研究協力施設の登録,協力施設におけるデータの収集を継続しつつ,平成23年度に構築したデータを精査し,データベースへの登録に向けての準備作業を行った. まず,研究協力施設は全30施設を登録した(石川県立中央病院(石川県)、公立豊岡病院日高医療センター(兵庫県)、公立八鹿病院(兵庫県)、KKR高松病院(香川県)、キナシ大林病院(香川県)、四万十市立市民病院(高知県)、高知大学医学部附属病院(高知県)、社会医療法人愛仁会千船病院(大阪府)、高知県立安芸病院(高知県)、市立伊丹病院(兵庫県)、市立吹田市民病院(大阪府)、東京医科大学八王子医療センター(東京都)、医療法人仁寿会石川病院(兵庫県)、聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県)、公立甲賀病院(滋賀県)、総合病院南生協病院(愛知県)、公立陶生病院(愛知県)、大阪労災病院勤労者予防医療センター(大阪府)、春日井市民病院(愛知県)、金沢赤十字病院(石川県)、広島大学病院(広島県)、恒昭会藍野病院(大阪府)、長野医療生活協同組合長野中央病院(長野県)、北里大学病院(神奈川県)、京都南病院(京都府)、製鉄記念八幡病院(福岡県)、岡崎市民病院(愛知県)、さいたま市民医療センター(埼玉県)、総合大雄会病院(愛知県)、丸子中央総合病院(長野県). この30施設において,研究方法論を統一して,研究データを収集しており,平成24年度末には,おおよそ500例のデータを収集してデータの精査作業を行った.データの精査にあたっては,糖尿病を専門とする医師の協力が必要不可欠であるため,研究協力者の池田幸雄氏(高知記念病院糖尿病内科部長 糖尿病専門医・指導医)から助言を受けた. 以上,予定していた通り,研究計画を実行し,データの収集とともにデータの精査作業を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
評価技術および測定機器の進歩によって,糖尿病患者においては筋力が軽度から中等度低下していることが近年の欧米の研究で明らかにされた.糖尿病患者では特有の合併症(糖尿病多発神経障害)が筋力低下の要因として明らかにされており,筋力を定量的に測定することは多発神経障害が運動神経に及ぼす影響の判断,糖尿病運動療法やリハビリテーションを効果的に進めるために有効である.しかしながら,糖尿病患者の筋力の参考基準値が確立されていないために,筋力を測定してもその数値を十分に活用できていないのが現状である. 本研究では,糖尿病多発神経障害との関連をふまえて2型糖尿病患者の膝伸展筋力の参考基準値を確立することを目的とする. 現在までの研究の達成度については,研究計画に記載した通り,平成24年度内においてデータの収集・精査を行えており,おおむね順調に進展していると自己評価する.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度も引き続きデータ収集を継続するが,1施設での目標症例数を得た施設のデータについては,順次データを精査しデータを固定する.データの固定後,得られたデータは糖尿病神経障害合併の有無別に基本集計し,膝伸展筋力の参考基準値を確立する.また,運動習慣の有無別や糖尿病のコントロール指標などをふまえて解析を行い,運動習慣や糖尿病コントロール指標が膝伸展筋力に与える影響などについて解析を行う. 以上の結果についてまとめ,平成25年度は国内外の学会で報告し,研究成果を還元する. 平成25年度に報告を行う学術集会の予定は,日本糖尿病学会年次学術集会(熊本),アジア理学療法学会(台湾)とする.
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究では,糖尿病神経障害との関連をふまえた2型糖尿病患者の膝伸展筋力の参考基準値を確立することを目的としていることから,多症例の信頼性のある測定値が必要なため多施設共同でのデータ収集が不可欠である.また,データベースの整備や精査のうえデータを固定する必要性がある. そこで本研究では平成25年度(次年度)において, 1.多施設との連携を行うのに必要な旅費を使用する.2.データベースの維持・管理を行うために必要な経費を使用する.3.成果報告を行うために必要な旅費,英文校正等で経費を使用する. 以上を達成するために,研究経費を使用する.
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