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2011 年度 実施状況報告書

切断断端部の筋電信号特性と筋電電動義手使用者の運動・生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700651
研究機関神戸学院大学

研究代表者

大庭 潤平  神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 講師 (10406259)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード筋電位 / 筋電電動義手
研究概要

平成23年度計画として、表面筋電図計の製作と予備実験、健常者の筋電位データの集積分析、臨床応用研究の準備として筋電義手使用者の選定を計画していた。表面筋電図計の製作と予備実験は、乾式8電極筋電位採取装置を作成した。その内容は、筋電電極をOttobock社製の乾式電極8個を使用し、電源を9V、Renesas technology corporationマイクロプロセッサ、アナログ入力ポート8、RS-232C(D-Sub9)出力インターフェースを搭載した筋電位処理装置を作成、さらに筋電位データをPCで処理して予備実験を行い表面筋電図計を完成した。健常者を対象とした筋電位データ分析では、健常者27名(男性6名、女性21名)を対象とした。筋電義手ハンドのコントロールに最も適した筋の箇所を選定することとその筋電位特性を解明することを目的に実験を行った。結果、手関節屈筋群では尺側手根屈筋、手関節伸筋群では橈側手根伸筋が最も適した筋であり、それぞれの筋上に電極を5つ設置して実験を行った。尺側手根屈筋では、尺側手根屈筋の最大筋電位の採取位置は、前腕部最大周径位置より、27mm位部であり、橈側手根伸筋では、前腕部最大周径位置より、54mm遠位部となり、筋電義手トレーニングの筋電電極位置の特定に至った。また、切断断端を収納するソケット作成においても問題ない箇所であることがわかった。これは、上肢切断者の筋電義手トレーニングにおいて、効果的かつ効率的なリハビリテーションを行う上での貴重な指標となりえることが期待できる。健常者の筋電位データの集積分析臨床応用研究の準備として筋電義手使用者の選定は、研究計画に挙げているように筋電義手のトレーニングに携わる作業療法士の協力を得て、過去に筋電義手訓練を受けた48名の前腕筋電義手使用者のリストから選定中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度計画として、表面筋電図計の製作と予備実験、健常者の筋電位データの集積分析、臨床応用研究の準備として筋電義手使用者の選定を計画していた。表面筋電図計の製作と予備実験では、、乾式8電極筋電位採取装置を作成することができ、健常者を対象とした予備実験を行うことができた。健常者の筋電位データの集積分析では、健常者27名を対象として筋電義手操作における対象筋群の特性を知ることができておりさらなる分析と、上肢切断者を対象とした臨床実験の準備を進めている。今後、上肢切断者を対象とした実験を行うがその機材である仮義手等の物品が揃っていない点はあるが、すでに関係者に相談済みであり、おおむね順調と思われる。

今後の研究の推進方策

平成23年度計画であった表面筋電図計の製作と共に健常者データの集積分析を実施することがおおむね完了することができたので、今後は健常者を対象とした筋電義手操作時の目と手の協調性や運動特性を眼球探索運動装置や3次元動作解析装置を用いて行う予定である。また、それらの基礎的データを基に上肢切断者の実験対象者の選定を行い、筋電義手使用者における表面筋電位の測定、筋電義手使用者における「目と手の協調性」と「運動特性」の研究、さらに関連学会等における報告を行う予定である。 健常者の模擬筋電義手や上肢切断者の筋電義手を対象とした実験準備として、計測機材や環境調整など細かな準備が必要となるが、研究協力者とともに熟考して、計画的な準備と順調な運営を心掛けて研究を進めていきたい。

次年度の研究費の使用計画

主に研究機材の購入や協力者への謝金が経費として運用されると思われる。また、学会報告やそれに付随する情報収集の必要性も考えられる。研究機材では、国内で販売されていない上肢機能検査BBT(BOX AND BLOCKS TEST),筋電義手操作評価SHAP(SOUTHAMPTON HAND ASSESSMENT PROCEDURE)などを購入する予定であるが、適時購入経過を自ら査定して効率的な経費使用を行いたい。また、国内学科では、日本作業療法学会、日本義肢装具学会、国外では、国際義肢装具学会が予定されているので、そこにおける旅費や発表準備に経費を使用する予定である。また、論文掲載費用についても使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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