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2012 年度 実施状況報告書

ポリオ後症候群発症と酸化ストレスの関係

研究課題

研究課題/領域番号 23700655
研究機関産業医科大学

研究代表者

松嶋 康之  産業医科大学, 医学部, 講師 (10412660)

キーワードポリオ / ポリオ後症候群 / リハビリテーション / 酸化ストレス / 8-ヒドロキシデオキシグアノシン
研究概要

【目的】ポリオ後症候群(PPS)の原因として加齢や過用、炎症などが考えられているが明確ではない。PPSの原因解明、病態把握や診断のための生物学的マーカーの確立が望まれる。最近、PPS患者の脳脊髄液では炎症に関与するマーカーとともに酸化ストレスの防御因子が増加していることが報告されており、酸化ストレスはPPS発症に関与している可能性がある。
【対象と方法】昨年度から症例数を増やし、測定指標を追加した。ポリオ罹患者27名(男性12名、女性15名、59.3±5.1歳)と健常者13名(男性4名、女性9名、58.0±5.8歳)を対象とし、安静空腹時の採血、採尿を実施した。筋障害の指標として血中クレアチンキナーゼ(CK)、血中ミオグロビンを測定した。DNAの酸化障害の指標である尿中8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)をHPLC-ECD法にて測定した。脂質過酸化反応の指標として血漿中thiobarbituric acid reactive substance(TBARS)を測定した。各指標をポリオ罹患者と健常者の2群間で比較した。
【結果】血中CK値、尿中8-OHdG値は健常者と比較しポリオ罹患者で有意に高値であった。一方血漿中TBARS値はポリオ罹患者と健常者で有意差を認めなかった。
【考察】ポリオ罹患者ではDNAの酸化障害が有意に増加していることが確認できた。しかし脂質過酸化反応の増加は確認できず、今後他の指標を含めさらに検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度、24年度の2年間で、ポリオ罹患者20名、ポリオ罹患者と年齢、性をマッチさせた健常者20名の対象者を集める予定であった。平成23年度、24年度2年間でポリオ罹患者27名と健常者13名を対象に安静空腹時の採血、採尿を実施し、血中CK、血中ミオグロビン、DNAの酸化障害の指標である尿中8-OHdG、脂質過酸化反応の指標である血漿中TBARSを測定できた。

今後の研究の推進方策

得られたサンプルを用いて血液中と尿中の酸化ストレスの指標について生化学的指標を用いて測定する。得られたデータについて、ポリオ罹患者と健常者での酸化ストレスの指標の比較、ポリオ罹患者の中でポリオ後症候群を発症している群と発症していない群で酸化ストレスの指標の比較を行う。身体症状や障害レベルの影響を考慮した統計学的な解析を行う。結果について学会発表、学術論文の作成を行う。

次年度の研究費の使用計画

実験用試薬を予定より安く購入できたため繰越額が生じた。次年度は繰越額も含めて、血液中と尿中の酸化ストレスの指標について生化学的指標を用いて測定するために、消耗品費として実験用試薬、実験用器具を購入する。学会に成果発表を行うために旅費とその他の費用を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ポリオ後症候群発症と酸化ストレスの関係(第1報):ポリオ罹患者でのDNA酸化障害

    • 著者名/発表者名
      松嶋康之、伊藤英明、蜂須賀明子、小田太士、佐伯覚、蜂須賀研二
    • 学会等名
      第49回日本リハビリテーション医学会学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡市)

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公開日: 2014-07-24  

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