アルツハイマー病患者の聴覚障害の特徴として、高齢者に比し聴覚障害罹患率が96.1%と高いこと、高音障害漸傾型に続く聴力型の順序と割合が異なることが明らかとなった。また、アルツハイマー病患者における中等度以上の聴覚障害は遅延再生低下、書字能力の高さと関係する可能性が示された。さらに、聴覚障害例へのMini-MentalStateExamination(MMSE)の適正な実施法として、軽度聴覚障害者には、教示の呈示音圧増強、口形呈示が、中等度以上には一部項目の音声と文字呈示が、聴覚障害の影響を軽減し得る適正な実施法と考えられた。
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