(III)開発したシステムの妥当性検証の実験および結果の比較による検証 昨年度までに作製した機能モデルを用いて,対象ユーザのひとつであるリウマチ患者による試用評価を実施した.本年度はそれらの試用評価のうち基本的な走行評価や日常生活で行う応用的な走行評価結果を分析した.また,健常者3名に対して実施した三次元位置計測装置や筋電系を用いた運動計測結果の分析を行った.それらの結果,取り付け調整部や形状などユーザインタフェース部に関する課題と狭路場面における細かい操作時の操作性の低下の課題が明らかになった.そのため,デザインモデルの開発と制御系の修正を行った.デザインモデルの開発では,手指による操作が機能モデルより滑らかにできることを確認し,制御系の修正においては,周辺環境を把握して最大速度や加減速ゲインを自動調整可能な機能を付加した.最終的には,健常者にて走行特性の評価を実施したが,介入的な総合評価には至らなかった.一方でこれらの過程で,車いす利用者5名の狭路場面における操作・走行特性を明らかにすることができた.
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