研究課題/領域番号 |
23700664
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
栗本 秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (70597856)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | FES / 機能再建 / 末梢神経 / 再生医療 |
研究概要 |
1.正常ラット歩行と坐骨神経切断モデル歩行の解析正常ラットと坐骨神経切断モデルラットの後肢に反射マーカを設置し、光学式3次元動作解析システム(Motion Analysis社製Mac 3D system)を用い歩行解析を行った。現在、収集されたデータを用いて、麻痺筋のFES(機能的電気刺激)スケジュールのプログラムを作成している。2.MISMの機能的および電気生理学的評価、組織学的評価ラット坐骨神経切断モデルを用いた胎児脊髄motoneuronを移植し、機能再建した骨格筋(MISM)を作成した。組織学的観察により移植したmotoneuronが末梢神経内で長期間生存し、その軸索が神経筋接合部を形成することを確認した。また、細胞移植を行った末梢神経(脛骨・腓骨神経)を交互に電気刺激することにより足関節の底背屈運動というsimple behaviorを自由に制御できることを確認した。3.単一のMISMを用いた歩行制御脛骨神経・腓骨神経切断モデルを用い、運動神経細胞を腓骨神経内に移植しMISMを作成した。体外から電気刺激を行いビデオによる歩行解析を行った。腓骨神経内の移植神経細胞の電気刺激を歩行周期に合わせて行うことで、足関節の背屈が改善することを確認した。現在、足関節底背屈の主動筋と拮抗筋を麻痺させた同一のモデルを用いて、複数のMISMにより協調運動を制御し、歩行パターンを正常化できるかを評価検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット胎児脊髄運動神経細胞を用いたin vivo実験では、複数のMISMを用いて足関節のsimple behaviorを自由に制御できることを確認できた。また、ビデオによる歩行解析を行い、脱神経筋の機能再建を確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、収集されたデータを用いて、麻痺筋のFESスケジュールのプログラムを作成している。足関節底背屈の主動筋と拮抗筋を麻痺させたモデル(脛骨神経・腓骨神経切断モデル)を用い、麻痺筋をMISMにより機能再建する。単一MISMと同様に、歩行解析からのfeedback dataを用いたFESが主動筋と拮抗筋の協調運動を制御し歩行パターンを正常化できるかを評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物の系統維持・飼育にかかる費用、motoneuron分散培養のための試薬にかかる費用。さらに、歩行解析に同調させて移植した末梢神経を刺激するためのFESプログラム作成とその電子回路にかかる費用に使用予定である。
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