研究課題/領域番号 |
23700686
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
飯田 悠佳子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (30548277)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 睡眠-覚醒リズム |
研究概要 |
本研究では,実態調査と実験的運動介入を行い,身体活動が子どもの睡眠の質にどのような影響を及ぼすかを包括的に検討することを目的としている. 今年度は,昨年度実施した予備調査の分析及び,2つの調査・測定を実施した. 予備調査では,小学4年生男女児童56名を対象に,生活習慣調査,睡眠・覚醒リズム測定を実施した.生活習慣は保護者への質問紙形式で調査し,睡眠・覚醒リズムは,児童に腕時計式加速度計(Actiwatch2)を10日間装着してもらい測定した.分析には,配布日と回収日を除外し,平日6日間,休日2日間の計8日間のデータを使用した.睡眠-覚醒リズムの規則性は,8日間の睡眠/覚醒データ(睡眠;0,覚醒;1)を用いた自己相関関数を算出し,自己相関の最大値と最小値の差を指標とした.平日の入眠時刻は22時09±40分,覚醒時刻は6時38±21分で,睡眠時間は508±33分であった.また,平日に比べて,休日前夜の入眠時刻は約23分,休日朝の覚醒時刻は約58分遅延しており,睡眠時間は平日より休日で約35分長かった.睡眠-覚醒リズムの規則性は0.99±0.13であった.今年度は,さらに小学4年生21名を対象に同様の調査と測定を追加実施した.次年度以降はこの結果も併せて,身体活動と睡眠の質との関連性を検証し,さらにこれらと児童のQuality of Life(QOL;心身の健康についての主観的な評価)との関連についても検討する予定である. また,今年度は定期的な運動習慣を有する中学1年生生徒7名を対象に,運動(中強度ぺダリング)実施日と安静日の終夜ポリグラフ測定を実施した.今後,運動実施日と安静日における睡眠段階構造と起床時覚醒感について比較し,運動習慣を有する子どもにおいて身体運動が夜間睡眠の質に及ぼす影響を,検証する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の研究目的に対する達成度は,当初の予定よりもやや遅れている. その理由は,東日本大震災の影響を配慮し,対象とする児童生徒への協力要請を自粛した期間があったため,今年度予定していた調査の開始が遅れたことにある.一方,次年度実施を予定していた実験の一部を前倒しして実施することができたが,予定していた年齢の対象とは異なるため,追加実験や計画の一部見直しが必要である.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,計画した調査・実験の実施に加え,今年度実施した調査・実験のデータ分析を行い,その成果を報告していく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,研究費を主に,調査・実験の実施に伴い発生する消耗品や,成果報告にかかる諸費用として使用する予定である.
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