研究課題/領域番号 |
23700686
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
飯田 悠佳子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童思春期精神保健研究部, 流動研究員 (30548277)
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キーワード | 睡眠の質 |
研究概要 |
本研究では,実態調査と実験的運動介入を行い,身体活動が子どもの睡眠の質にどのような影響を及ぼすかを包括的に検討することを目的としている.今年度は, 昨年度実施した調査・実験の分析及び,追加実験を実施した.昨年度に引き続き,運動習慣を有する中学生男子を対象に,3日間(適応・安静・運動条件)の終夜睡眠ポリグラフィ測定を,自宅において実施した.さらに,就床時刻の約6~7時間前である午後16時より,ペダリング運動(中強度)を30分間実施した.全てのスケジュールに予定通り参加し,睡眠データが正常に記録できた5名を解析対象とした.中途覚醒を除いた全睡眠時間は505.8±31.7分(安静条件),495.9±32.0分(運動条件)であった.睡眠効率は93.9±4.5%(安静条件),92.2±7.3%(運動条件)であり,条件間に有意な差はなかった.各睡眠段階の出現率についても条件間で差はなかった.また,起床時の主観的眠気についても条件間で差はなかった.本実験において,被験者である子どもの自宅で睡眠ポリグラフィを実施し,日常的な睡眠環境における睡眠の質について,客観的に評価することができた.また,暫定的な結果ではあるが,運動による生理的変化は睡眠に影響を及ぼさず,各睡眠変数に変化が生じなかった可能性が考えられた.実験及び解析を進めることで,詳細に検討していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の研究目的に対する達成度は,当初の予定よりもやや遅れている. その理由は,東日本大震災の影響を配慮し,対象とする児童生徒への協力要請を自粛した期間があったため,初年度に予定していた調査・測定の開始が遅れたことにある.加えて,研究代表者の所属先異動等に伴い,予定していた被験者からの協力を得ることが難しくなるなど,一部計画通りに実施できなかったことなどにある.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,これまでに実施した調査・実験のデータ分析を行い,その成果を報告していく予定である.また,分析結果に基づき,目的の達成に必要となる追加調査・実験について再検討し,実施する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,研究費を主に,調査・実験の実施に伴い発生する消耗品や,解析,成果報告にかかる諸費用として使用する予定である.
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