• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

運動のコントロール感に関わる神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23700689
研究機関生理学研究所

研究代表者

和坂 俊昭  生理学研究所, 統合生理研究系, 特任助教 (60390697)

キーワード脳磁図 / 感覚運動統合 / 視覚 / 体性感覚 / 運動主体感
研究概要

運動をうまくコントロールするためには、運動する身体部位からの感覚情報と運動出力情報の感覚運動統合が重要である。本研究では、脳科学的手法を用いて、運動のコントロール時における感覚運動連関に関わる神経機構を解明することを目的として、自己が主体となって「運動」を行っている時の身体部位の自己認識(コントロール感)に関連する神経基盤を明らかにするものである。
運動をうまくコントロールしていると感じる時、運動指令から計算される感覚情報のフィードバックが、実際の感覚情報のフィードバックとの誤差と一致していると考えられる。また、運動がうまくコントロールされていないと感じるときは、運動の予測と実際の感覚情報のフィードアックに誤差が生じていることが考えらえる。本研究では、運動を行っているときに実際の運動とは異なる感覚情報を提示する条件を設定し、その時の脳活動を脳磁図で計測した。
実験の結果、運動中に意図した身体部位の運動とは異なる視覚情報が提示されたとき、二次体性感覚野、島皮質、頭頂葉の活動に変化がみられた。先行研究では、頭頂葉は視覚と体性感覚の統合する脳部位であり、島皮質は自己の運動の主体感に関与する脳部位であると報告されているが、本研究から二次体性感覚野も同様の機能を持つことが明らかとなった。二次体性感覚野は、触覚情報処理の高次領域であると考えられているが、運動時の視覚情報と体性感覚情報の統合に関与することから、この領域は高度な運動制御に関連することが明らかとなった。次のステップとして、これらの領域の活動を人為的に変化させることで、運動学習を促進できるのかを明らかにするために、経頭蓋直流電流刺激を提示して二次体性感覚野の興奮性を変化させることが可能であるのかを検証しつつ、有効な刺激法の確立を目指している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] The effect of unpredicted visual feedback on activation in the secondary somatosensory cortex during movement execution2012

    • 著者名/発表者名
      Wasaka T, Kakigi R
    • 雑誌名

      BMC Neurosci

      巻: 13(1) ページ: 138

    • DOI

      doi:10.1186/1471-2202-13-138.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Modulation of somatosensory evoked potentials during force generation and relaxation2012

    • 著者名/発表者名
      Wasaka T, Kida T, Kakigi R
    • 雑誌名

      Exp Brain Res

      巻: 219(2) ページ: 227-233

    • DOI

      doi:10.1007/s00221-012-3082-z.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The old but new theories in human voluntary motor control2012

    • 著者名/発表者名
      Suzuki M, Wasaka T
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine

      巻: 1 ページ: 611-619

  • [学会発表] The unpredicted visual feedback modulates activation in somatosensory areas during movement execution2013

    • 著者名/発表者名
      和坂俊昭,柿木隆介
    • 学会等名
      第2回新潟脳研・生理学研究所合同シンポジウム
    • 発表場所
      新潟大学(新潟県)
    • 年月日
      20130218-20130219
  • [学会発表] 二次体性感覚野における体性感覚-視覚-運動統合2012

    • 著者名/発表者名
      和坂俊昭,柿木隆介
    • 学会等名
      第59回中部日本生理学会
    • 発表場所
      岡崎カンファレンスセンター(愛知県)
    • 年月日
      20121116-20121117
  • [学会発表] 二次体性感覚野における感覚情報と運動情報の統合2012

    • 著者名/発表者名
      和坂俊昭,柿木隆介
    • 学会等名
      第42回日本臨床神経生理学会大会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都)
    • 年月日
      20121108-20121110
  • [学会発表] 筋張力発揮と弛緩時における感覚運動統合2012

    • 著者名/発表者名
      和坂俊昭,木田哲夫
    • 学会等名
      第20回日本運動生理学会大会
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県)
    • 年月日
      20120728-20120729

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi