研究課題/領域番号 |
23700695
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
田井 健太郎 長崎国際大学, 人間社会学部, 助教 (00454075)
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キーワード | 近世武芸 / 山鹿流兵法 / 武芸概念 |
研究概要 |
平成24年度は、近世武芸書の資料分析作業を通して、身体技法性および倫理性について検討し、成果発表を行った。また、研究の意義として研究計画書に記載した身体教育それ自体が「個」を育てるツールとなりうるのかというテーマに関しても成果発表を行った。 研究活動実績としては、①【平成24年4月】日本体育スポーツ哲学会大会におけるシンポジウム開催について研究者協力者と企画案の調整を行った(東京都)、②【平成24年5月】日本体育学会体育哲学専門領域定例研究会(東京都)に参加し、当該領域の最新知識について研究協力者と意見交換を行った、また日本体育スポーツ哲学会大会におけるシンポジウム開催について当該研究者と企画案の調整を行った、③【平成24年6月】IMACSSS(国際武道学会大会:イタリア)での研究発表を行い(‘How Japanese Budo is a physical arts: The Conceptual Establishment of Martial Arts in Early Modern Japan’)、プロシーディングを発行した、④【平成24年7月】日本体育学会体育哲学専門領域夏期合宿研究会に参加し、当該領域の最新知識について研究協力者と意見交換を行った、また日本体育スポーツ哲学会大会におけるシンポジウム開催について当該研究者と企画案の調整を行った、⑤【平成24年8月】日本体育スポーツ哲学会大会に参加し、シンポジウムを開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では、武道の文化的淵源を明らかにするために、近世の思想書、兵法書を用いて近世武芸の戦闘技法構造、倫理性の検討、武芸を用いた武士教育の内実について検討することを目的とした。 本年度の達成度としては、前年度に実施した史料調査、山鹿流兵法書の史料分析をもとに国際学会、シンポジウムを含め成果発表を行った。次年度にもシンポジウム開催(二回)、書籍発刊の準備を進めており、研究は計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究方法については23,24年度と同様である。23年度の研究課題2「近世思想家における倫理教育―中江藤樹を中心にー」、24年度の課題は、「近世武芸の体技性(身体技法性)について」、「近世武芸における倫理性の検討-『武教小学』と『山鹿語類』を資料として」も継続して行い、「近世における武芸概念の成立過程について -近世兵法書をもとに-」として研究の成果をまとめる予定である。 【研究成果発表予定】1.近世の武芸概念成立についての研究発表をIMACSSS(平成25年9月,茨城県)にて行う予定である。2.「体育哲学を再考する」のテーマでシンポジウム(平成25年8月,日本体育・スポーツ哲学会大会)を開催予定である。3.「体育実践の思想(仮)」のテーマでシンポジウム(平成25年8月,日本体育学会大会)を開催予定である。4.「山鹿流兵法書『武教小学』における武士教育(仮)」の題目で研究論文を投稿予定である。5.『新しい時代の体育原理を考える(仮)』の題目で著作を刊行する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度は、近世兵法書、近世思想資料を対象とした資料蒐集、分析を行い、成果発表につなげる予定である。これらのテキストでは、変革する武士のエートス(性格、慣習)、社会的位置づけが中心的な問題として取り上げられることが予想される。こうした中で、各地の研究施設(筑波大学付属図書館、熊本大学付属図書館、海上保安大学校付属図書館、平戸市博物館、赤穂市、広島大学付属図書館など)に散見される資料の比較検討のもと、武芸の倫理性に通ずる成果を求めていく。(参考文献の蒐集 図書資料費:150千円,国内調査・研究旅費:100千円,外国研究旅費:100千円,専門的知識の提供:25千円,短期雇用者の任用:25千円,その他:消耗品費35千円) 本研究の成果は順次、学会発表、原著論文の形で公表していく予定である。(国内成果発表旅費:50千円,研究成果投稿料:15千円)
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