研究課題/領域番号 |
23700696
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
鈴木 直樹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60375590)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / 反省的実践 / 体育教師教育 / スタンダード / 授業分析 |
研究概要 |
本研究では,体育教師の資質・能力規準の観点を反省的実践家という専門職像から明らかにすることを目的としている。そこで,海外ですでに作成されているスタンダードの調査と海外の教員養成と現職教員の力量形成についての調査を予定した。先行研究などを検討した結果,反省的実践という視点から注目したのが,豪州と米国であり,平成23年度は,二国への調査を中心に実施した。 米国と豪州で作成されている体育教師スタンダードについて整理し,比較検討を行った結果,両国のスタンダードからは,単一の項目として反省的実践が取り上げられているわけではなく,ほかの観点の中に内包される形で反省的実践の力量が求められていることが明らかになった。 また,米国と豪州にて聞き取り調査を行い,教員採用制度等を手掛かりにしながら目指すべき教師像を明らかにしながら,反省的実践としての力量をどのように求めているかを明らかにした。その結果,とりわけ米国では,教員採用制度の変化や教員としての力量形成の中に反省的実践家としての教師の姿を求めていることが明確となった。この検討については引き続き,他国を検討しながら,取り組みを継続していきたいと考え,英国・独国・芬蘭への調査を検討したが,日程が合わずに,計画を実施することができなかった。 さらに,教員養成に在籍する学生(2年生)と熟練教員(10年経験者以上の小学校教員で中高保体の免許保有者)が,授業場面をどのように観察し,どのような意思決定をしているかについて,視線追尾装置によって調査した観察の視点と,インタビュー調査によって得た意思決定した事柄を比較検討し,その違いを明らかにした。この研究の結果と考察は,現在整理中であるが,平成24年度に米国での体育教師教育学会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は,米国・豪州のほかに,英国・独国・芬蘭への調査を検討したにもかかわらず,日程調整がうまくいかずに実施ができず,データを収集することができなかった。この点については,平成23年度に実施せざるをえず,不十分となってしまった点である。 一方,教師の観察行動と意思決定に関しての実験調査を進めることができ,この点については予定よりも早めに進行することができた。このデータの分析も順調に進めることができている。 以上の点から,平成23年度の進行状況を「おおむね順調に進展をしている。」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
海外調査にあたっては,学年歴の違いなどから,日程を調整することが難しいことが予想され,平成23年度にも苦労したことであった。そこで,できるだけ早めに海外渡航については計画を立て,実施できるようにしたいと考えている。 また,平成23年度に実施した研究をまとめ,研究発表(論文,口頭発表,ポスター発表)を行いながら,内容を深めていきたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に実施できなかった国外調査に平成23年度の予算の残額を使用したいと考えている。平成24年度の予算執行については,おおむね予定通りと考えているが,質問紙調査を国内外で実施する予定でいる。そこで,研究を効率的に進める為に,データの整理・分析補助を若干増やしていくことも検討したいと考えている。
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