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2012 年度 実施状況報告書

体育科の評価における潜在的カリキュラムと評価システム開発に向けた実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700698
研究機関岡山大学

研究代表者

原 祐一  岡山大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (80550269)

キーワード国際情報交換 / イギリス
研究概要

当該年度は,主にイギリスの体育科教育における評価システムについての調査を行うことによって評価システム開発について検討を行った.調査は,ラフバラ大学のマイク・ワーニング教授にインタビュー調査を行い,イギリスにおける小学校体育の評価システム及び,昨年度構想したデジタル・ティーチング・ポートフォリオ評価について意見を求めることができた.イギリスにおいても,評価の問題は難しく,どのように教員のリフレクションを促すのかが課題となっている.その際に,政府として評価項目をWeb上に掲載し,多くの教員に活用するように勧めているが,十分に活用されていないのが現状であり,当該研究者が行っているデジタル・ティーチング・ポートフォリオについて興味を持ってもらうことができた.その上で,アドバイスとして,デジタルカメラを活用する際に,ビデオカメラを活用し文脈を捉えた上で共にリフレクションをする方が望ましいとの意見を得ることができた.ただその際に問題になったのは,リフレクションする時間の問題であり,多忙な教員においてどのようにこのことを促すかという事であった.この点については,本研究の目的である活きた評価システムを構築するために引き続き検討を行う事となった.
二つ目の成果としては,昨年度K小学校で行ったデジタル・ティーチング・ポートフォリオ評価で使用した写真の分析である.写真を分析することで,教師が体育をどのような方向からまなざすのかについて明らかとなった.多くの教師は運動をナナメの関係から捉えようとしていることや,集団としての写真の多さや領域毎に偏りがあることなどが挙げられ,運動を捉えるときの評価の視点に影響を与えている可能性があることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は,教員のキー・コンピテンシーを高める評価システムを開発し,活きた評価の在り方について提案するものである.本年度の計画は,先駆的に進んでいるイギリスの体育科教育において教員が評価をどのように行うのかという調査が中心であった.この点については,イギリスの現状や本研究に対するアドバイスが得られたことから,概ね計画通り進んだ.もう一つの課題であった小学生に対する調査は,予算の関係から実施することができなかったが,イギリスの調査やその後の研究を合わせて最終年度に行うよう計画を進め,当初計画していた調査よりも質の高い調査計画を構築することができた.この点から,調査の実施は最終年度に繰り越されたが,計画を変更するだけの効果が期待できるため,概ね順調に進んでいると判断できる.
また,評価システム開発についても協力校との関係もあり,かなり進めることができた.計画では,主に最終年度に行う予定であったが,前倒しすることによって明らかになることが増えてきたため,より質の高い成果を提出する可能性が出てきた.
以上の2点から本研究は順調に進んでいる.

今後の研究の推進方策

次年度は,最終年度になるため研究成果をまとめていく事となる.
研究計画では,①前年度までの研究成果を総合的に検討し,教員がキー・コンピテンシーを高めるための評価システムを構築すると共に,実践的にモデル検証をする,②モデルを検証した結果を主として,研究成果を講評していく,という2点である.これに加え,前年度から繰り越している教員と子どもへの調査を行う予定である.この調査内容については,2年間で検討してきた成果を反映し,当初の調査よりも質的にも方法論的にも改訂した状態で行うこととする.
以上の3点から研究を推進していくことによって,当初計画していた研究目的を達成したいと考える.

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 小学校教員が評価のために撮る体育授業の写真に関する一考察2012

    • 著者名/発表者名
      原祐一
    • 学会等名
      日本体育学会第63回大会
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      20120822-20120824
  • [学会発表] A Practical Model of the game “Catching Volleyball” based on the idea of the “Kyokumen Study”2012

    • 著者名/発表者名
      Shota Kimura, Yuichi Hara, Yugo Miyasaka, Keiji Matsuda
    • 学会等名
      TGfU
    • 発表場所
      Loughborough University, UK
    • 年月日
      20120714-20120716

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公開日: 2014-07-24  

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