• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

体育科の評価における潜在的カリキュラムと評価システム開発に向けた実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700698
研究機関岡山大学

研究代表者

原 祐一  岡山大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (80550269)

キーワード潜在的カリキュラム / 評価 / 小学校教員 / 体育授業
研究概要

本年度においては,評価をめぐる潜在的カリキュラムについて国立政策研究所が示す「評価規準作成のための参考資料」をもとに方法論的枠組モデル及び内容分類モデルを用いながら検討を行ってきた.その結果,3つの潜在的カリキュラムを示すことができた.
①国立政策研究所が評価の在り方を示すことで,評価というのは「学校教育制度を維持するために国がコントロールするものである」という潜在的カリキュラム.②教師のための資料にならざるをえないがために,「自らが評価されるのは,先生のためである」という潜在的カリキュラム.③できることを評価するために,「スポーツはできなければならない」という潜在的カリキュラム.
以上の3つが評価をめぐる潜在的カリキュラムとして存在することが明らかになったが,もちろん顕在的カリキュラムとしての評価の持つ意味も大きい.このような潜在的カリキュラムを自覚することによってはじめて,生涯にわたって運動に親しむ資質能力を育む授業ができると考えられる.
また,上記のような潜在的カリキュラムを自覚的に意識した上で,写真を撮りながらティーチングポートフォリオを蓄積していくことが,教師のPDCAサイクルを動かす原動力になり得ることが示唆された.このことは,教師が体育授業をしていく中で,子どもが何をしようとしているのかということに共感することにつながり,キー・コンピテンシーを高める可能性も示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在まで,体育科の評価をめぐる潜在的カリキュラムについて,様々な角度から検討することができた.このことは,既に学会発表等を行い,成果として報告しているところである.
次に,教員のキー・コンピテンシーを高める評価システム開発については,概ねデジタル・ティーチングポートフォリオが有効であることが確認されている.
以上のことから,当初計画していた研究目的は概ね順調に達成することができたと考えられる.

今後の研究の推進方策

今後は,デジタル・ティーチングポートフォリオを活用した教員が,1年間を通してどのように活用し,キー・コンピテンシーを高めたのかを確認する必要がある.1年間を通した内容を検討する必要があったため,25年度中の報告書作成ができていない.そのため,今年度は,報告書としてまとめることが課題として残されている.

次年度の研究費の使用計画

平成25年度に,評価システムに関する検討を行い,学校現場で活用されるシステムになっているかをA小学校においてシュミレーションし,報告をする予定であったが,データが小学校の3学期末まで必要となったため,計画を変更した.生かされる評価システムを構築するための知見を獲ることを目的としたため,報告書作成にかかる未使用額が生じた.
評価システム活用にかかる分析,学会発表,報告書作成を次年度行うこととし,未使用額はその経費に充てる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 体育授業の評価に関わる潜在的カリキュラム2013

    • 著者名/発表者名
      原祐一
    • 雑誌名

      日本体育学会第64回大会体育社会学専門領域発表論文集

      巻: 第21号 ページ: 55-60

  • [雑誌論文] ダンスと評価の問題:教科教育の立場から2013

    • 著者名/発表者名
      原祐一
    • 雑誌名

      多様性の捉え方をめぐって ダンス授業におけるジェンダーを考える

      巻: 1 ページ: 81-100

  • [学会発表] 体育授業の評価に関わる潜在的カリキュラム2013

    • 著者名/発表者名
      原祐一
    • 学会等名
      日本体育学会第64回大会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      20130828-20130830

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi