「体ほぐし」の知的教材化を主たる目的に、「気」と「身」のあり方に注目する「心身一体観」の理論研究の蓄積を土台としつつ、児童生徒が「体ほぐし」をとおして獲得した「身体感覚」(「実践知」)を、「形式知」として理解および定着させられるようにするための教材的哲学用語である「気づきことば」の案出と、具体的な授業実践への応用可能な資料検討を行った。結果、「身体観」「私」「行為的直観」「フロー」「セルフ・リウォーディング」などを案出した。とりわけ、西田幾多郎による「行為的直観」の概念は有効教材になりうる。動きのなかにある身体、すなわち、「動きゆく私」であってはじめて知る得る事態のあることを確認した。
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