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2011 年度 実施状況報告書

器械運動の学習指導における身体性の教育-「私は動ける」という動感身体知の形成-

研究課題

研究課題/領域番号 23700706
研究機関九州共立大学

研究代表者

濱崎 裕介  九州共立大学, スポーツ科学部, 助教 (10589146)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード身体知 / 発生運動学 / 器械運動 / 運動指導
研究概要

器械運動の技の学習における「できない」には「怖くてできない、体が動かない」ということが多くある。こうした場合、「ここをこうすれば大丈夫という意識」を形成することが効率的に練習する上で重要となる。また、「こうすればできる」という動きのコツを身につけ、自身の動感身体に気づくことは器械運動の重要な学習目標の1つである。本研究の目的は、できなかった動き方ができるようになるために、学習者の動感身体にどのような変化が起こるのかを解明することによって、学習者が自己の身体と対話しながら効果的に運動を学習するための指導論を考案することである。 本年度はまず、高等学校学習指導要領解説・体育編で主な技として例示されている技が「怖くてできない」という学習者を選出し、学習者はその技(動き方)をどのようにとらえているのかを分析した。本年度は特にマット運動の「跳び前転」、「頭はねおき」、鉄棒運動の「後方支持回転」の三つの技に絞って考察を行った。分析の対象となる動きを示した学習者の実施を毎回の授業でビデオ撮影した。目標とする技の動感アナロゴンとなるであろう運動課題を実施させたり、直接幇助によって動きの全体像を体験させることによってできるようになるまでの動きの変化を記録した。また、怖くてできなかった技(動き方)を「やってみよう」と思い、「わかるような気がする」、「できるような気がする」、「できる」という段階へと進んでいく過程において、動きの「どこがうまくできるようになったのか」、「どこが怖くなくなったのか」といった主観的な感覚情報を収集した。その記述を見ると、自身の身体の上下が逆さになるということに関して自分の場所がわからなくなりそうという恐怖心や不安を抱いている学習者が多くいた。つまり、定位感能力をいかにしてトレーニングしていくかが重要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は計画通り、マット運動のとび前転と頭はねおきができない学習者の「つまずき」の事例をビデオ撮影して類型化することができた。また、動きの習熟の過程も客観的な運動経過の変化と主観的な動感意識の変化を記録することができた。平成24年度に行う予定であった鉄棒運動の「つまずき」の事例の収集も本年度から開始している。器械運動の技は特に回転する技において、恐怖心のため動きの習得がなかなかできない学習者が存在するが、この恐怖心を取り除くための1つの方法として定位感能力(自身の身体の上下、左右、前後を把握する能力)をトレーニングし、「自分の場所がわかる、自分の身体が今どうなているのかわかる」ようにすることが挙げられる。平成24年度は特に鉄棒運動の「後方支持回転」の指導方法に関して、特に定位感能力に着目して研究を進めていく。

今後の研究の推進方策

次年度は鉄棒運動の「後方支持回転」の指導方法に関して、特に定位感能力に着目して研究を進めていく。恐怖心を取り除きながら「私は動ける」という動感意識を計画的に形成させるための指導手順を示すことと、器械運動の技の学習において培われる身体知の重要性についてまとめることを平成24年度中に行う。

次年度の研究費の使用計画

次年度は研究成果の学会発表を考えており、研究の打ち合わせと学会旅費に研究費の多くを使用する予定である。現在のところスポーツ教育学会、体操競技・器械運動学会、スポーツ運動学学会の参加を予定している。

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公開日: 2013-07-10  

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