本研究は,漸増負荷運動中の糖代謝応答が水泳運動と陸上運動とで異なるか比較検討した.その結果,一流競泳選手は高強度ステージにおいてホルモン応答と呼気ガス分析結果から糖の分解が促進されていることが認められたものの,血中グルコース濃度は陸上運動中とは異なり上昇しないことが明らかとなった.また,一流トライアスロン選手においても,同様の結果が認められた.しかしながら,十分なトレーニングを積んでいないトライアスロン選手においては,よくトレーニングされた競技者とは全く逆の生理応答を示した.以上の結果より,持久性能力のレベルと運動中に動員される筋の違いが糖代謝応答に違いをもたらす可能性が示唆された.
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