平成26年度は、H23~H25年度に各種調査を実施し、これまでに明らかにされた、福岡県と高知県の総合型地域スポーツクラブ(以下、「総合型クラブ」とする)におけるアダプテッド・スポーツ事業の継続課題や、当該地域周辺で活動する既存組織や個人(指導者)の活動状況等を踏まえ、さらに、高知県においては、福祉関係者へのヒアリングを追加したうえで、「地域におけるアダプテッド・スポーツ環境の構築に向けた総合型クラブの持続可能な障害者スポーツ事業方策」を提示した、最終報告書を作成することを目的とした。 その結果、最終報告書の内容(研究成果)としては、「1.文献調査による2つの総合型クラブによる委託事業事例の特性」、「2.インタビュー調査による委託事業前後における事業プロセスの整理とその変容の分析」、「3.アンケート調査による障害者スポーツ指導者の参加動機特性の把握」、「4.アンケート調査による本事業参加者(アダプテッド・スポーツイベント)の事業評価」といった4つを柱にした各種調査の結果(研究成果)を集約することができた。 また、総合型クラブにおけるアダプテッド・スポーツ環境の構築方策としては、上記2県の事例ケーススタディによって抽出された共通点を総合型クラブにおけるアダプテッド・スポーツ事業において意識すべき事業プロセスマネジメントのポイントとして提示することができた。具体的には、「1.委託事業のメリット・デメリットを理解していること」、「2.他組織との連携(ネットワーク化)を図っていること」、「3.人材(ボランティア)養成に取り組んでいること」といった3つのマネジメントポイントを提示することができた。
|