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2011 年度 実施状況報告書

テニスの電子スコアブックによるパフォーマンス評価手法の検討とコーチングへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 23700725
研究機関鹿屋体育大学

研究代表者

高橋 仁大  鹿屋体育大学, スポーツ武道・実践科学系, 講師 (50295284)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードゲーム分析 / システム開発 / performance profiling
研究概要

本研究は,筆者らが開発したテニスの電子スコアブックのデータ出力プログラムを用いたパフォーマンス評価手法の妥当性について検討する(課題I)とともに,この評価手法を実際のコーチング場面で活用し,その有効性について検討する(課題II)ものである. 平成23年度はデータ出力プログラム(高橋,2010)を用いたパフォーマンス評価手法の妥当性について検討した.特に,performance profilingの手法を活用したパフォーマンス評価については,評価結果とセット内のゲーム差との間に関連があることが示され,ゲーム差が開くほどパフォーマンス評価の結果も開くことが明らかとなった.さらにゲーム差に影響を与える評価項目についても検討したところ,ポイント取得に直結する項目がより大きい影響を与えることも示唆された.これらの知見を基に,データ出力プログラムで使用する項目を選定していく必要があると考えられた. 加えて,電子スコアブックで出力可能なショット時間についても検討を行った結果,ラリー中のグラウンドストロークのショット時間が,ラリー中の主導権の有無を示す可能性があることが明らかとなった.ショット時間とビデオ映像の検討を行った結果,ショット時間が短いショットを打球しているプレーヤーが,ラリーの主導権を保持していることが考えられた.この知見は,一打毎に状況が変化するテニスのラリー中のショットを簡便に評価することのできる指標となる可能性があることから,今後さらなる検討が必要である. 当初計画していたデータ出力プログラムのカスタマイズ化に向けては,各評価項目の妥当性をさらに検討する必要があることから,24年度以降に研究を進めることを計画している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では2つの課題を設けているが,課題Iでは,パフォーマンス評価につながる指標を抽出するとともに,その結果を即座に出力する既存のデータ出力プログラムの改良を行なうことを目指している.平成23年度は,パフォーマンス評価につながる指標として,新たにラリー中のショット時間を用いることの可能性が示された.ショット時間の抽出は電子スコアブックの大きな特徴であることから,ショット時間について更なる検討を進めることが必要と考えられる. さらにperformance profilingを用いた評価が,ゲーム差との関連があることが示されたことについても,データ出力プログラムの改良にむけて有意義な成果であったといえる.プレーヤーのパフォーマンスを視覚化するperformance profilingを用いることによって,課題IIで設定している実際のコーチング場面での活用につながると考えられる. 一方で各評価項目についてのさらなる検討が必要であることから,今後も着実に研究を進めることが求められる.

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策としては,当初の目的通り,データ出力プログラムの改良に着手する.そのために現在はパフォーマンス評価につながる指標について検討している.23年度に実施したperformance profilingを用いた評価がゲーム差と関連を示しているという研究結果からは,評価項目によってはゲーム差との関連を示さない傾向もみられたことから,各項目の妥当性について,検討を進める必要があるといえる. またラリー中のショット時間がラリー中の主導権を示している可能性が示唆されたことや,これまでのショット時間についての研究から,パフォーマンスを評価する指標としてのショット時間の有効性について,さらなる検討が必要であるといえる.データ出力プログラムをより有益なものとするために,ショット時間についての研究をまず進めていくことが必要である. このように,当初の目的であるデータ出力プログラムの改良のために行うべき研究課題が明らかになってきたことから,24年度はまずパフォーマンス評価のための指標の検討,特にショット時間についてのさらに詳細な研究を行い,プログラムの改良については24年度内のできるだけ早い段階で進めていくことを計画している.

次年度の研究費の使用計画

上記のように,24年度はパフォーマンス評価のための指標の検討,特にショット時間についてのさらに詳細な研究を行うことから,ショット時間の検討のためのデータ収集を行うため,実際の試合の映像収集のための旅費や映像記録のための消耗品等を確保するための費用を計上している.さらにデータ処理を行うための人件費等を計上している. データ出力プログラムの改良のための費用も必要である.プログラムの改良にあたっては,これまでプログラムの開発を依頼してきた(株)クレッシェンドに引き続き依頼する予定である.そのための費用を計上している.さらにこれらの研究成果を発表するための旅費を計上している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] テニスのプレーはコートサーフェスによって変わるのか? ―世界トッププレーヤーを対象に―2011

    • 著者名/発表者名
      高橋仁大,西中間惠,石原雅彦,森重貴裕
    • 雑誌名

      スポーツパフォーマンス研究

      巻: 3 ページ: 49-58

    • 査読あり
  • [学会発表] テニスにおけるグラウンドストロークラリー中のショット時間に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      石原雅彦,森重貴裕,高橋仁大,西薗秀嗣
    • 学会等名
      日本体育学会第62回大会
    • 発表場所
      鹿屋体育大学
    • 年月日
      2011年9月27日
  • [学会発表] パフォーマンスプロファイリングを用いたテニスのゲーム評価手法の検討(2)-ゲーム差とパフォーマンスとの関係-2011

    • 著者名/発表者名
      高橋仁大,西中間惠,北村哲
    • 学会等名
      第23回テニス学会
    • 発表場所
      大阪体育大学
    • 年月日
      2011年12月4日

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公開日: 2013-07-10  

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