研究課題/領域番号 |
23700733
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研究機関 | 札幌大学 |
研究代表者 |
束原 文郎 札幌大学, 地域共創学群, 准教授 (50453246)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 体育会系学生 / 大卒新卒採用 / スポーツ種目効果 / 部内役職効果 / 大学ランク効果 / 学力効果 |
研究実績の概要 |
本年度は,体育会系学生の就職支援企業との協力提携に基づき,個人の匿名性を保ったまま,就職先,学校歴,競技,部内役職,入学経路・方法(スポーツ推薦/一般入試/AO入試/指定校推薦,等),英語レベル等の大規模データを入手,解析した.具体的には,体育会学生就職支援企業アスリートプランニングのサービスを2013-14年度に利用した学生のプロファイルデータ(N_13=3701; N_14=3613)を用い,大学タイプ(国公私立,入試偏差値,等),入学経路,英語レベル等を統制した上で,<体育会系>学生が東証一部上場(T1)企業から内定をもらうか否かについて,スポーツ種目の及ぼす影響を検討した.解析には二項ロジスティック回帰分析を用いた. その結果,1)T1企業への内定は大きく大学タイプによって説明され,国公私立の別,入学経路,英語レベル等は影響を及ぼさなかった.また2)最も内定率の低かったバドミントンを基準にした際,サッカー,野球,ヨット系,バスケは2倍以上,それ以外にもアメフト,剣道・薙刀,ラグビー,ラクロスの順で1.6~1.8倍程度統計的に有意な促進効果が確認された.しかしながら,3)モデル全体の説明力は弱く,一般化は慎重に行われるべきであることが同時に確認された. ※年度後半から本務校の在外研修がスタートしたため,本研究課題に関わる作業を一時休止した.このために,報告・公表は未実施であるが,上記の内容を2015年7月に東京で開催される日本スポーツ産業学会で報告予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
体育会系就職が変わって来たという変遷の記述については,新聞記事や雑誌記事といった言説収集の過程であり,未だ分析を遂行できていない.一方,体育会系の現在を記述する量的調査についてはデータ収集,解析が既に完了し,学会報告,論文執筆の段階にある. 大きな理由は本務校の留学研修制度を利用し,年度後半から本研究課題に関わる作業を一時休止したことによる.
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今後の研究の推進方策 |
留学研修によって休止していた作業を帰国後再開する.量的調査の成果公表を進めつつ,言説収集と分析によりいっそうの力を入れる.少なくとも言説データの収集までは完全に終えるようにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
大きな理由は本務校の留学研修制度を利用し,年度後半から本研究課題に関わる作業を一時休止したことによる.
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次年度使用額の使用計画 |
留学研修から帰国後,作業を再開する.具体的には,言説データ収集に必要な資料代,インタビュー謝金,成果公表のための掲載料,発表料,旅費,に残金を使用する.
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