本研究の目的は,「大学の運動・スポーツ系部・クラブに所属していた者(以下,<体育会系>) が他に比して良い就職を得る」という<体育会系>就職神話について,戦後の動向とその変遷のメカニズムを捉えることにある.採用側の企業の変遷,新聞・雑誌記事での扱われ方,そしてスポーツと優良企業への内定獲得率の相関を検討した.主な結果として,<体育会系>就職は,1)時代的なリーディング企業によって牽引されること,2)大卒新卒労働市場が一時的な落ち込みから回復する期間にメディア上で取り上げられることが多くなること,3)優良企業からの内定獲得率にはスポーツ間で差異があることが明らかとなった.
|