本研究の目的は、出産経験のあるエリートランナー10名に出産前後のトレーニング内容等を調査し、さらにインタビューによる詳細な情報収集を行い、安全で有効な出産前後のトレーニングプログラムを提案することであった。 その結果、出産前後に強度を調節しながらトレーニングを継続した7人は、出産後一年以内にほぼ妊娠前の高いパフォーマンスに戻った。しかし、出産後2週間以内にランニングトレーニングを開始した2人は、その後に疲労骨折をした。 これらのことから、妊娠中はトレーニング量を考慮しながら継続することで出産後の復帰が早まる。しかし出産後のトレーニングを早期に開始すると怪我のリスクが高まる可能性が示唆された。
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