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2012 年度 実績報告書

近世後期における庶民による伊勢参宮の旅の歩行距離に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700742
研究機関東洋大学

研究代表者

谷釜 尋徳  東洋大学, 法学部, 准教授 (40527933)

キーワードスポーツ史 / 近世後期 / 庶民 / 旅 / 歩行距離
研究概要

本研究は近世後期の庶民による伊勢参宮の旅に着目し、彼らが旅の道中で歩いた距離の傾向を明らかにすることを目的とした。基本史料として、旅人の道中の行動記録(旅日記)を用いた。研究成果の概要は、以下の通りである。
(1)蒐集し得た90篇余りの旅日記を分析した結果、近世後期における関東地方の庶民による伊勢参宮の旅の歩行距離について(江戸~伊勢間が対象)次の事柄が明らかとなった。①旅人は、少ない時でも1日あたり10㎞程度の距離を歩いていた。②旅人は、多い時には1日あたり70㎞を超える距離を歩くことがあった。③旅人の歩行距離の平均値は、1日あたり35㎞前後であった。
(2)(1)の研究結果は、江戸~伊勢間の区間のみを対象として取り上げたものであった。しかし当時の旅は往復路で異なるルートを選択し、できる限り多くの異文化世界に触れて見聞を広めようとすることが一般的であった。そこで、旅の往復路の情報が詳細に記述されている旅日記を抽出し、その全行程を分析対象として道中の歩行距離を検討した結果、次の事柄が明らかになった。①旅人の全行程における歩行距離の平均値は、1日あたり35㎞前後であった。②旅人は、道中の全行程を通して一定のペースを保って歩き続けていた。
(3)史料調査の過程で『江戸ヨリ唐津迄道中記』と題された古文書が発掘された。これは弘化3(1846)年に江戸~唐津(現・佐賀県唐津市)間を歩いて旅した際の記録であったが、この個別事例における歩行距離を分析した結果、以下の事柄が明らかになった。①この旅における総歩行距離は、約1113.5㎞であった。②この旅における歩行距離の平均値は、1日あたり約35.9㎞であった。③この旅人は、江戸~唐津間を通して一定のペースを保って歩き続けていた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 近世後期における江戸~唐津間の旅のルートと歩行距離―弘化3年『江戸ヨリ唐津迄道中記』の分析から―2012

    • 著者名/発表者名
      谷釜尋徳
    • 雑誌名

      運動とスポーツの科学

      巻: 18巻1号 ページ: 17~27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 近世庶民の伊勢参宮の旅にみる歩行距離の実際―旅の全行程の検討―2012

    • 著者名/発表者名
      谷釜尋徳
    • 雑誌名

      東洋法学

      巻: 56巻1号 ページ: 59~75

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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