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2011 年度 実施状況報告書

新たな腱組織の力学的特性の計測方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23700746
研究機関早稲田大学

研究代表者

佐久間 淳  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 研究員 (80588187)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワードアキレス腱 / 腓腹筋内側頭 / 超音波法
研究概要

これまでの力発揮による腱の伸長から計測された腱組織の力学的特性では、発揮筋力の大きさの影響を受ける可能性があるため、発揮筋力の大小の影響を受けない方法での計測を開発する必要がある。本研究では、受動的に腱組織を伸長させることで筋力の影響を排除し、腱組織の力学的特性を計測する方法の確立を目的とした。今年度は、力発揮の有無によって腱組織の長さ変化が異なるか否かを比較し、力発揮による腱組織の長さ変化への影響を確かめた。成人男性の下腿三頭筋腱を被験筋とし、これまでと同様に、超音波装置を用いて腱組織の伸長を計測した。被験者は、上下にスライドするスレッジ装置(傾斜角30度)に仰臥位の姿勢になり、固定された木製のブロックに被験脚の拇指球をのせ、足関節を最大背屈させた。試行は被験者が自ら足関節を底屈・背屈させるActive試行と験者がスレッジ装置をゆっくりと上下させ、被験者の足関節を受動的に底屈・背屈させるPassive試行を行った。その際、超音波装置で撮像された動画と足関節角度を同期して計測した。計測された足関節角度データから筋腱複合体長変化を算出した。超音波法で得られた筋腱移行部の長さ変化と筋腱複合体長変化から、腱組織の長さ変化を算出した。本実験における足関節の最大背屈角度は20度(解剖学的正位=0度)付近であった。底屈10度までの関節可動域10度における腱組織の伸長は、Passive試行がActive試行より有意に大きかった。Passive試行では筋電図法によって筋活動がみられないことを確認した。このことから、力発揮に有無によって腱組織の長さ変化の程度が異なることが示された。今後は、腱張力をできるだけ高めた状態で計測することや被験者数を増やすことを課題として実験を遂行する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、力発揮の有無によって腱組織の長さ変化が異なることをについて調査してきたが、被験者数を増やす必要があった。また、動作負荷や関節可動域、動作速度について検討することがあらたな課題として出てきた。これまでの実験では、傾斜30度のスレッジ装置で行っていたため、自体重の半分の負荷であり、実際の動作中にみられるような腱張力の大きさまで至っていない。また、関節可動域が動作負荷によって変わる可能性があること、動作速度についても今後の検討課題である。したがって、腱組織のスティフネスやストレインの計測および従来の方法との比較・検討、妥当性の検証まで至らなかった。

今後の研究の推進方策

新たな課題である動作負荷や関節可動域、動作速度に対応する。動作負荷についてはスレッジ装置の傾きを調整し、関節可動域についてはゴニオメータで関節角度をみながらスレッジ装置の上下動をコントロールできるようにする。また、動作速度については電子メトロノームを使用するなど、一定に保てるようにする。これらの課題を解決したのち、腱組織のスティフネスやストレインを算出し、従来の方法との比較や妥当性の検証などを行う。

次年度の研究費の使用計画

主に、学会参加に伴う旅費の支出がなかったことにより、当該研究費が生じた。次年度は新たな課題を克服したのちそのデータを国内学会あるいは国際学会で報告する。その際の旅費が必要となる。また、新たな課題に対する実験データの解析に用いる機器やデータ保存用機器に使用する。さらに、実験に参加した被験者や験者への謝礼、論文投稿にかかる費用として使用する。

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公開日: 2013-07-10  

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