研究課題/領域番号 |
23700750
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
神谷 拓 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (70460467)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | スポーツ教育学 / 運動部活動 / 地域スポーツクラブ / フィールドワーク |
研究概要 |
本研究の目的は、運動部活動のOB・OG組織を活用して地域スポーツクラブをつくる方法を、事例研究を通して明らかにすることである。具体的には、1,地域スポーツクラブ発足に必要な運動部活動指導の内容、2,OB・OGへの接し方、3.地域スポーツクラブ発足後に行った運動部活動との連携の内容、4.転勤後の教師の関わりと現状の課題について明らかにすることを目指している。 そのため、本年度は、当初の研究計画に基づき、地域ラグビークラブ「どろんこ」を発足させた星野直之氏の調査を行った。具体的には、1.部活動と地域スポーツクラブ実践に関わる資料の収集、2.本人や「どろんこ」メンバーへのインタビュー、3.「どろんこ」クラブにおけるフィールドワークに取り組んだ。 1の取り組みを通して、星野氏が発行していた運動部活動通信をはじめとする資料と、地域スポーツクラブ通信の一部を収集することができた。これらの分析を通して、彼がとりわけ「共感」「全員参加」を重視し、そのメッセージを各「通信」を通して伝えている実態が明らかになった。 2の取り組みを通して、運動部活動と地域スポーツクラブ実践を貫く星野氏の「共感」「全員参加」という教育観、そして、それが「どろんこ」クラブにも浸透している実態が明らかになった。また、「どろんこ」と運動部活動の合同練習が行われていた実態も明らかになった。 3の取り組みを通して、星野氏が運動部活動で追求していた「共感」「全員参加」の方針が、地域スポーツクラブにおいても浸透し、年齢に関係なく試合や練習に参加している実態が明らかになった。また、クラブ員の減少という課題を抱えていることも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的である、1,地域スポーツクラブ発足に必要な運動部活動指導の内容、2,OB・OGへの接し方、3.地域スポーツクラブ発足後に行った運動部活動との連携の内容、4.転勤後の教師の関わりと現状の課題、を明らかにするための資料・データは、概ね収集できている。しかし、その分析が途中であり、現在、作業を進めている。今後の分析において、不明な点が出てきた場合には、再度、インタビュー調査が必要となる。
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今後の研究の推進方策 |
星野氏の実践分析を終了させ、当初の予定通りに、地域水泳クラブ「酔水会」を発足させた平野和弘氏の実践分析に入る。研究方法は、これまでと同様に、実践記録やクラブ通信などの資料分析と、教師、生徒、OB・OGへのインタビュー調査を中心とするフィールドワークである。既に、調査への協力については快諾いただいているため、平野氏が参加する研究集会等の機会を利用して、調査を進めていく予定である。なお、分析にあたっては、星野氏との比較研究を重視していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.平野氏へのインタビュー調査に必要な旅費、及び、彼の参加する研究会への参加費用2.データ分析・整理に必要な備品の購入費用(ファイル、メディア、ソフト等)3.研究成果報告のための学会・研究会への参加費用及び旅費4.データ整理・テープ起こしのサポートのための人件費に使用する予定である。
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