研究課題/領域番号 |
23700754
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
吉岡 伸輔 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20512312)
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キーワード | 慣性センサー |
研究概要 |
スキー滑走中の動きを計測するシステムを構築することを目的として研究を進めている。システムは複数個の慣性センサおよびGPSから構成されるものである。申請時の実験計画(3年間)では、1年目(昨年度)は1個の慣性センサを用いた基本アルゴリズムの構築、2年目(今年度)は複数個のセンサを用いた統合的なアルゴリズムの構築およびGPS+慣性センサによる高精度な位置同定アルゴリズムの構築、3年目(来年度)は雪上テストを実施することになっている。初年度は基本アルゴリズムの構築において、計画からの変更が生じたものの、最終的に予定通り進行した。ただし、基本アルゴリズムの変更に伴い、複数個のセンサを用いるアルゴリズムも計画時に予定していたものから変更することとなり、追加の実験が必要となった。今年度はその実験を行った後(約半年)、当初計画の統合的なアルゴリズムの構築(約2か月)を行った。それらの実験については順調に進行した。一方、今年度予定していた2つの課題の内の1つであるGPSに関する実験については当初使用予定の機器の発売が遅れたため、計画が遅れている状況である。ただし、遅れは数か月程度であること、雪上テストを行う来年度の冬まではまだ8か月以上あることから、遅れは十分に取り戻せる範囲である。2年目を終了した現時点において、実験室内における各種動作中の姿勢の計測は可能となった(25年度のシステム制御情報学会にて発表予定)。特に、現在発売されている慣性センサを用いたモーションキャプチャシステムでは計測ができない環境(遠心力がかかる環境)での測定も問題なく測定できているという点で最も大きな課題が解決されたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は次の2つの課題を予定していた。①複数個のセンサを用いた統合的なアルゴリズムの構築、②GPS+慣性センサによる高精度な位置同定アルゴリズムの構築。GPSの発売遅延が影響し、②を実施できなかった。そのことから“やや遅れている”という自己評価を行った。ただし、②に比較し、①の方が時間を要する課題であることや、次年度の主な実験が来年の冬となることから、夏の間に十分に遅れを挽回できるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
夏期はGPSに関する実験を実施予定である。具体的には次の通りである。①光学式モーションキャプチャを用いたGPS模擬実験、②GPS機器の購入、③慣性センサを併用したGPS高精度化実験。冬期は④雪上におけるスキー計測実験を行う予定である。 次年度の実験では③が山場となる。③ではGPS位置同定精度の向上に慣性センサから得られる加速度情報を用いる予定である。カーナビげージョンシステムにも用いられる一般的な手法であるが、本研究では初年度に開発した慣性センサの基本アルゴリズムを通して得られる加速度情報を用いることで更なる精度向上を目標とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度購入予定であったが、発売遅れによる購入できなかったGPSを購入する。また、雪上実験に備え、スキー板の動きを計測するための慣性センサを購入予定である。その他、雪上実験の旅費および謝金を支出予定である。具体的には次の通りである。 GPS(1台):16万円、慣性センサ(4台):30万円、旅費および謝金:15万円。
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