研究課題/領域番号 |
23700754
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉岡 伸輔 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20512312)
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キーワード | スキー動作計測 |
研究概要 |
アルペンスキーの滑走動作計測のためのシステムを構築することを目的として研究を進めている。システムは複数個の慣性センサおよびGPSから構成されるものである。申請時の実験計画(3年間、注:延長申請許可のため4年間)では、1年目は1個の慣性センサを用いた基本アルゴリズムの構築、2年目は複数個のセンサを用いた統合的なアルゴリズムの構築およびGPS+慣性センサによる高精度な位置同定アルゴリズムの構築、3年目(今年度)は雪上テストを実施する予定であった。全体計画において途中、予定や計画内容に変更が生じたものの、最終的にはアルペンスキーの滑走動作を計測可能なシステムを構築できた。ただし、同時に今年度の雪上実験を通して、システムの使い勝手の面で課題が見えた。来期のスキーシーズン以降に本システムを用いて本格的なスキー実験を実施することを考えた場合、今期のスキーシーズンも有効に活用し、早急にシステムの完成度を上げておくべきであると考えられた。そこで延長申請を行い、4月以降にも引き続き雪上実験を実施した。その結果、ハードウェアの微調整、ソフトウェアのインターフェースの改善等の成果も得られた。本システムでは、実験室外における計測にも関わらず、準備・測定ともに1人で実施可能である。また、実験の準備時間は屋内において1時間半、雪上において10分ほどであり、使いやすいシステムとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、雪上実験を実施してアルペンスキーの滑走動作が測定できたため、おおむね順調という自己評価を行った。一方、本質的ではないもののシステムの今後活用面では重要となるシステムの使い勝手やシステム全体の作り込みの点では課題が見えた。その様な状況の中、今期のスキーシーズンがまだ残っていたため、急遽延長申請を行い、課題に取り組むこととし、ハードウェアの微調整、ソフトウェアのインターフェースの改善を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
システムの使い勝手やシステム全体の作り込みの点で改善を実施していく予定である。具体的には実験準備時間の短縮、計測毎に実施しなければならない諸作業の簡略化のための研究を実施予定である。これらの研究は夏場に実施可能であることが多いため、夏場を中心として実施し、来期のスキーシーズン前半(~2月)には研究全体を仕上げる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
スキーシーズンが年度を跨ることから、実験の都合上、次年度使用額が生じた。 実験時の交通費、宿泊費、補助者の謝金に使用予定である。 また、センサの身体への貼付時に専用のスペーサーをはさみ、センサを安定化させる予定である。そのスペーサー製作にも使用予定である。
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