本研究は体幹部の安定化や姿勢矯正の非接触性前十字靭帯(ACL)損傷リスクに及ぼす影響を検証した。実験1では片脚着地中の体幹の姿勢矯正、実験2では8週間の体幹トレーニングをそれぞれ行い、それら介入の片脚着地中のバイオメカニクス的変数への影響を検証した。その結果、実験1では姿勢矯正により片脚着地中のバイオメカニクス的変数がACL損傷リスクを低下させる方向へ変化したが、実験2においては有意なトレーニング効果は示されたものの、同様のバイオメカニクス的変化は見られなかった。以上の結果から、ACL損傷予防のためには体幹トレーニングを行うだけでなく、減速動作中の姿勢矯正も同時に指導するべきであるといえる。
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