本研究では車椅子バスケットボールのゲーム場面を分析することで、「障害」がどのように捉えられているのかを検討した。競技レベルから区分した試合をビデオ撮影し、ゲーム分析の知見を参考にボール保持秒・ボール保持回数・出現率・チームの行動連鎖等を計算した。これらのことから判明したのは、持ち点の低い選手が関与する割合は、トップレベルのチームほど有意に増大し、試合全体でのプレイの連鎖が高くなることだった。特にトップレベルのゲームほど、持ち点の低い選手が関与する傾向にあった。このことは、相互行為がどのように行われるかによって、各人の障害の意味付けがポジティブにもネガティブに変化しうることを示している。
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