研究課題/領域番号 |
23700772
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
森川 真悠子 信州大学, 医学系研究科, 研究員 (10596068)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ストレス反応 / 最高酸素摂取量 / 中高年者 / トレーニング |
研究概要 |
本研究の目的は、松本市熟年体育大学の参加者に簡単なゲーム(カラーワードテスト)を行っていただくことでストレス反応を計測し、本研究外で定期的に計測している最高酸素摂取量と比較することで、最高酸素摂取量の増加に伴ってストレス反応が低減するかどうかを検証することである。まず、松本市熟年体育大学いきいき健康ひろば継続会員38名(男性11名、女性27名、平均年齢66.7±4.8才)を対象として、精神性ストレス負荷としてカラーワードテストを行い、血圧、心拍数を測定した。その結果、ストレスが始まって1分後に血圧20mmHg、心拍数15拍が増加したことを確認した。さらに、手掌発汗量も同時に計測し、ストレス負荷と同時に増加を認めた。また、その際に主観申告として、うつ病自己評価尺度(CES-D)と気分プロフィール検査(POMS)の質問紙を使用して、ストレス状態を把握した。継続会員を対象に行った為、ストレス度は低く、体力とストレス負荷による血圧、心拍数の増加との関係が顕著にみられなかった。しかし、新規会員を対象とした場合には、体力の増加とともにストレス反応が低減する可能性が推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画は、実験群:松本市「熟年体育大学」の参加者について、体力測定(血液検査を含む)を行って最高酸素摂取量や体重などの生活習慣病関連指標を計測し、その際に、うつ病自己評価尺度(CES-D)と気分プロフィール検査(POMS)の質問紙を使用して、ストレス状態の把握するところまでは実施できている。さらに、一過性のストレッサーを与えるストレス負荷実験(カラーワードテスト)時のストレス反応として、心血管反応(血圧、心拍数)、手掌発汗量をモニターしながら予備実験を行い、データが得られたことも確認している。ただし、さまざまな機器で試し測定項目の確定に時間がかかってしまったが、正確なデータがとれる体制は整ったので本実験に集中して取り組むのみとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、まずコントロール群に松本市内の健康な中高年者を被験者として設定し、5月時の体力測定(血液検査を含む)を行って最高酸素摂取量や体重などの生活習慣病関連指標を計測する。その際に、うつ病自己評価尺度(CES-D)と気分プロフィール検査(POMS)の質問紙を使用して、ストレス状態を把握する。さらに、実験群(=松本市「熟年体育大学」新規参加者)とコントロール群に対して、一過性のストレッサーを与えるストレス負荷実験(カラーワードテスト)を行って、ストレス反応として、心血管反応(血圧、心拍数)を計測する。それと同時に、手掌発汗も測定し、ストレス強度を把握する為に、正解率を計測する。これらの研究を当初の計画では福祉ひろば(福祉目的の公民館)で行う予定であったが、静かな環境で正確なデータをとる為に、参加者には、温湿度が統一できる信州大学の実験室に来て頂き行う予定である。これらの横断的研究により、仮説「初期の最高酸素摂取量の低い被験者ほど、ストレス反応量が高い」ということを検証する。さらに、10月も同様の被験者に対して、上記の計測を行い、本研究の仮説「中高年者の最高酸素摂取量の増加が、ストレス反応を低減させる」を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
一過性のストレッサーを与えるストレス負荷実験(カラーワードテスト)を行って、ストレス反応として、心血管反応(血圧、心拍数)を計測するが、その際に血圧を1分毎に自動で連続モニターする血圧計、さらに、精神性発汗を把握する為の手掌発汗計を使用する予定である。当初計画では、これらで本年度実施予定であったが、研究の進捗状況により、次年度実施することとなった為、次年度使用額が生じた。コントロール群に松本市内の健康な中高年者を被験者として一般募集しているが、その際の被験者への謝金とスタッフへの実験協力の謝金を使用する予定である。これについても、上記と同様であり、次年度使用額が生じた。
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