研究課題/領域番号 |
23700774
|
研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
高井 洋平 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 助教 (20574205)
|
キーワード | 筋硬度 / 超音波エラストグラフィー法 / 再現性 |
研究概要 |
本申請課題は超音波装置を用いて、これまで方法論的に困難であった大腰筋の形状および機能について、簡便性・利便性を持つ評価方法を確立することを主たる目的とするものである。この目的を達成するために、昨年度は超音波法を用いた大腰筋形態の簡便な定量的評価方法を開発した。今年度は、超音波組織弾性映像法(エラストグラフィー)を用いて測定し、筋硬度の定量方法を確立することを目的に行った。使用した装置の特徴として、従来乳がん検診に使われているもので、筋肉に応用した報告例が少ないことから、始めに本装置が筋肉に適応可能かどうかについて検討した。検討課題は、筋硬度の日間の再現性を確認すること(実験1)と、筋の長さ変化に追従した筋硬度の変化が確認できるかどうか(実験2)についてであった。被検筋は、大腰筋と類似した筋線維走行をもつ上腕二頭筋を対象とした。被検者は健常な成人男女であった。実験1および2ともに、被検者には、仰臥位姿勢で、肩関節外転および肘関節角度90度における最大随意努力による肘関節屈曲力発揮(MVC)および15、30、45、60、75% MVCでの肘関節屈曲力発揮を行わせた。実験2では、実験1の試行に加えて肘関節角度70度および110度の3角度で力発揮を行った。実験1では、筋硬度測定値の日間の級内相関係数は、0.924であった。すべての被検者で、筋硬度測定値は、すべての被検者において60% MVCまでは直線的に増加した。実験2では、肘関節が屈曲位での力発揮時の筋硬度の測定値が、肘関節角度伸展位のそれよりも低かった。以上のことから、本研究で用いる超音波組織弾性映像法は、骨格筋の筋硬度を測定するために再現性が高く、筋の長さ変化に追従して、筋硬度の変化することが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度の本申請課題の目的は、超音波組織弾性映像法(エラストグラフィー)を用いた大腰筋形態の定量的評価方法の開発することであった。平成24年度は、この方法が骨格筋に適応できるかどうかを検討するために、大腰筋と類似した筋線維走行をもつ上腕二頭筋で測定を行った。この方法を用いて、本申請課題の大腰筋を対象とした実験を行うことができる。以上のことから、本申請課題はやや遅れていると評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度では、これまでに開発してきた大腰筋形態および機能の定量方法を用いて、競技スポーツ選手を対象とした測定を行い、大腰筋形態および機能の競技種目差を明らかにしていく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|