本研究は超音波装置を用いて、これまで方法論的に困難であった大腰筋の形状について、簡便性・利便性を持つ評価方法を確立することを目的とした。21歳から25歳までの11名の成人男性を対象に、第4腰椎と第5腰椎との間に位置する大腰筋の筋断面積および筋厚を,Magnetic Resonance Imaging(MRI)法で測定した。MRI法と同様の姿勢で,Bモード超音波装置を用いて、MRI法と同位置の大腰筋の筋厚を測定した。超音波による筋厚における測定の再現性を確認するために、日を変えて2回行った。超音波法による筋厚の測定は、再現性を有していた。超音波法で測定した筋厚は、MRI法で測定した筋横断面積と有意な相関関係が認められた。両変数間の関係から得られた回帰式を用いて推定した大腰筋横断面積は、MRI法で測定したそれと有意な相関関係が認められた。以上のことから,超音波法を用いた大腰筋の測定は高い再現性を有し,簡便に大腰筋の筋横断面積を推定することが可能であることが示された。
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