研究課題/領域番号 |
23700779
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
和田 匡史 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (00320101)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / 生理学 / 筋 / 睡眠 / ストレスタンパク質 |
研究概要 |
平成23年度前半は、研究成果を第66回日本体力医学会大会(山口)にて発表を行った。本事業での課題である疲労回復と効率的な筋力発揮について、高齢者を対象に体力因子と立位姿勢の安定性を考察した。本研究では、高齢者に体力および足圧中心動揺(身体重心動揺)を測定し、姿勢保持に有効な体力因子を調べた。その結果10m最大歩行速度と足圧中心動揺間に有意な相関関係が認められ、体幹、下肢筋群の発達が立位姿勢安定に影響を与えることが示唆された。本研究では高齢者を対象としたため、より早い疲労回復と筋力の維持が重要であることが再認識された。 平成23年度後半は、疲労回復、筋力向上について、身体加温による効果を測定分析した。初期の実験結果から、全身浴による入浴はシャワーによる入浴よりも、睡眠時間の改善、入眠までの時間の短縮と睡眠効率を向上させる効果が見られた。このことは全身浴による身体加温によって体内のストレスタンパク質が高められ、睡眠による疲労回復を向上させた可能性が考えられる。この成果は、平成24年3月に同年11月に開催されるAustralian Conference of Science and Medicine in Sport(ACSMS)に申し込みを行った。この学会では共同研究も含めて3演題を発表予定((1)Relationship between sleep and bathing in college competitive swimmers、(2)Joints angle, moment and muscle activity during Nordic Walking compared to walking、(3)Metabolic Profile of Moderate-intensity Interval Swimming)である。以上が平成23年度の研究報告である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、計画通りに測定を遂行することができ、国内学会での研究成果の発表、国際学会への申し込みを行うことができたため、順調に研究が進んでいると言える。しかし、購入を予定していた機材を入荷することができなかったため、その機材購入を次年度へ繰り越す形となったところは反省すべき点である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、昨年度後半に行った疲労回復、筋力向上について、身体加温による効果をさらに体温や脳波の変化を測定し、分析することを計画している。加温によるストレスタンパク質発現増加が、筋肥大や筋力発揮に及ぼす影響を見るために、超音波診断装置による筋厚の測定、筋電図による発揮筋力の測定を実施する。 本研究は疲労回復を見るため、昼夜数日間をかけて測定する。このため測定計画を被検者に正確に説明し、長期間にわたる測定の承諾を得るとともに、より正確なデータを採取することに最善の注意を払う。また、被検者の不利にならないよういつでも測定を中止できることや、測定データの取り扱いについての説明も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、設備備品費によって、無線式の筋電図測定装置を購入し、身体活動中の発揮筋力を測定する。 旅費は、11月にオーストラリア(シドニー)で行われるAustralian Conference of Science and Medicine in Sport(ACSMS:オーストラリアスポーツ医科学国際会議)にて研究発表をするためにこの費用に充てる。 ヒトを対象とする実験のため、多数の被検者に対して測定対価として謝金を支出する。 研究成果を投稿するためにその他支出を論文投稿費に充てる。
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