本研究はパラレルリンク構造を用いた足首関節の運動補助アシスト装置を開発し,足の回転角度と足首関節にかかる関節トルクを正確に計測と制御ができるシステムを構築することが目標である.足首の回転角度と回転軸変位を測定し,個人対応可能な足首関節の回転モデルを作成する.個人対応モデルにより,有効な歩行の計測と制御,転倒とけがの防止,及び下肢部の筋力制御を実現する.初年度は計測された人の運動に基づいて,モデルを提案し,システムの制御手法を提案した.24年度は制作されたモデルを利用し,制御手法を実装して,モデルと制御手法の有効性の検証及び応用に関する研究を行った. モデルを作成するため,足首関節の運動を開発した装置で計測し,人の足首が回転する時の回転軸の変化を推定することができた.モーションキャプチャーで計測されたデータと比較することにより,高精度の計測と推定ができていることを確認できた. モデルに基づき,足の運動を補助するため,装置を改良し,装置の位置,力と硬さの制御手法を提案し実装しました.装置はスチュワートプラットフォーム機構を用いて,6本のシリンダーの長さ制御により,足と足首の6自由度の移動と回転の制御が可能にした.さらに,位置制御だけではなく,デバイスの出力とデバイス自身の硬さの制御も可能にした.被験者の運動を記録し,記録された運動を再現することができた.装置の出力を力センサで計測し,設定された出力が高い精度で実現できることも検証した. 24年度の研究結果は論文にまとめ,日本国内外の学会に投稿と発表することにより研究成果の公表と社会発信も行った.
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