研究課題
本研究では独自に作成した重度肉離れ損傷モデルを用いて、重症化・長期化に深く関与すると考えられる因子の発現解析を行う。具体的には、1) コラーゲンmRNA発現量・局在、2)コラーゲン合成に関わるタンパク質量・局在、3) テノサイト関連マーカーの解析、4) in vivo遺伝子導入、の4つのテーマに絞って実験を行っていく。本年度は、分析サンプルの確保と力学的指標、タンパク質量解析を行った。分析サンプルは、重度肉離れ損傷モデルを用い、損傷前1、3、5、7日後の下腿三頭筋およびアキレス腱を採取した。併せて筋機能の測定も実施した。サンプルは、病理学的解析とタンパク質量の定量分析に使用した。力学的指標は、等尺性最大トルク、エキセントリック最大トルク、トルク低下率、仕事量とし、病理学的指標は、損傷筋線維数、線維化面積、筋腱移行部の破断、結合組織部の変性とした。解析の結果、重度肉離れ損傷伴い有意な筋力低下と損傷像、また損傷時にはコラーゲン合成を高める腱分化マーカーであるtenomodulin、mohawkなどが有意に増大していることが明らかとなった。 なお、本研究結果は、59th American college of sports medicine's 59th Annual Meeting and 3rd World Congress on Exercise is Medicineにて発表予定である。
2: おおむね順調に進展している
申請書通りに進んでいるため。
学会での情報収集を行い、更なる研究の進歩につとめたい。
サンプル解析に関わる消耗品とデータ公表に関わる費用にあてる。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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