研究課題/領域番号 |
23700788
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
堀田 典生 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (60548577)
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キーワード | 血圧 / 血流制限 / 加圧 / CAVI / 動脈硬化指数 / 有酸素運動 |
研究概要 |
腕や脚の付け根などを約180mmHg程度の圧で圧迫し,血流制限をしながら筋力トレーニングを行うと,通常では効果がないとされるような低負荷(最大筋力の20%程度)でも筋肥大や筋力増強を生じさせ得る.この方法は加圧トレーニングと呼ばれ,高齢者のトレーニングやリハビリへの応用が期待されているが,血流制限トレーニングが血管機能に及ぼす影響については未解決である. 私たちは,有酸素トレーニングに血流制限を組み合わせた場合,有酸素能力の有意な向上に加え,最大筋力の有意な増加,筋肥大傾向があることを見出した.そこで,このトレーニング方法が動脈の伸展性に及ぼす影響を検討した. 被検者は週3日,1日あたり30分の自転車運動を8週間行った.運動強度は最大酸素摂取予備能(VO2R)の45%からはじめ2週毎に5%ずつ上げた.血流を制限する群は大腿部の付け根を160mmHgの圧で5分おきに圧迫し1週間毎に10mmHgずつ上げた(血流制限群,9名).血流を制限せずにトレーニングを行う群を対照群(6名)とした. 動脈硬化指数をトレーニング前,4週間後,8週間後に血圧脈波検査により求めた結果,有意な交互作用(群×時間)は認められなかった(P=0.91). この結果より,有酸素運動に血流制限を組み合わせたトレーニングは動脈スティフネスに影響を及ぼさない可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
最終目的である血流制限下の"筋力"トレーニングにより血管機能がどのように変化するかの実験に及んでいないため,また,論文執筆に至っていないため.
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今後の研究の推進方策 |
定期的な血流制限下“筋力”トレーニングは動脈コンプライアンスを変化させるかの研究を実施する.同時並行で,1-2年目の成果をまとめ,論文を執筆,投稿する.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の実験が効率よく進んだ結果,消耗品の支出が予定より少額となった.このため24年度に予定していた物品の購入は,平成25年度研究計画の予算と合わせて前半に予定することとした.平成25年度の研究費の50%を被検者謝金等に充てる.残りの50%を消耗品と旅費(学会発表のため)に充てる.
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