本研究では,2型糖尿病における伸張性収縮は極めて高い筋損傷を誘発することが示された.さらに,ダウンヒルランニングトレーニングは,2型糖尿病骨格筋に対する物理的ストレスを軽減することが明らかとなった.したがって,糖尿病骨格筋の脆弱性は,筋量維持を目的とした本運動プロトコルにより抑制されることが示唆された.次に,血流制限運動における安全性を確認するために,異なる血流制限レベルにおける伸張性収縮負荷について検証した結果,血流制限レベルには,筋損傷を誘発する閾値が存在することが明らかとなった.これらの結果を考慮し,血流制限を伴った運動トレーニングの効果については,今後も継続して検証していく予定である.
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