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2012 年度 実施状況報告書

低酸素トレーニングに対する骨格筋の無酸素的および有酸素的エネルギー供給能の適応

研究課題

研究課題/領域番号 23700791
研究機関独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター

研究代表者

本間 俊行  独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, チーム「ニッポン」マルチサポート事業, 契約職員 (90392703)

キーワード低酸素トレーニング / 無酸素性エネルギー供給 / 有酸素性エネルギー供給 / 骨格筋エネルギー代謝 / 運動パフォーマンス / 酸素摂取量 / リン31-磁気共鳴分光法 / 血中乳酸濃度
研究概要

平成23年度の研究において、常酸素下と低酸素下での高強度固定負荷運動時の代謝動態について検討したところ、同一絶対強度での運動時において、低酸素下では常酸素下よりも有酸素的エネルギー供給量が小さく、無酸素的エネルギー供給量が大きいことを示唆する結果が得られた。平成24年度は、低酸素環境での短時間・高強度の運動トレーニングが代謝的な適応に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした検討を行った。
自転車競技選手12名を、常酸素下(酸素濃度20.9%)でトレーニングを行う群(常酸素群)と低酸素下(酸素濃度16.2%)でトレーニングを行う群(低酸素群)の2群に分け、週あたり4回、3週間のトレーニングを行わせた。1セッションあたりのトレーニングの内容は、自転車エルゴメータを用いて65―70秒間維持できる最大強度での70秒間の固定負荷自転車運動を15分間の休息を挟んで3回行わせるものであった。事前のテストにおいて65―70秒間維持できる最大強度は常酸素下と低酸素下とで差がないことを確認してあり、常酸素群と低酸素群のトレーニング時の仕事量には差がなかった。3週間のトレーニングの前後で最大酸素摂取量、65―70秒維持できる最大強度での固定負荷自転車運動時の酸素摂取量および血中乳酸濃度を測定した。
その結果、最大酸素摂取量は両群ともに有意な変化を示さなかった。トレーニング前の65―70秒維持できる最大強度での運動持続時間は両群ともにトレーニング後に有意に延長した(いずれもP < 0.05)。これに対して運動時の血中乳酸濃度は低酸素群のみトレーニング後に高まった(P < 0.05)。以上のことから、3週間の短時間・高強度での運動トレーニングに対して、常酸素環境と低酸素環境とで運動パフォーマンスは類似した適応を示すものの、代謝的には異なった適応を示すことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度に実施した一過性の低酸素環境での運動による基礎的検討に基づき、平成24年度は低酸素環境でのトレーニング効果を検証するためのトレーニング実験を実施した。被験者の協力により実験はおおむね計画通りに遂行できた。
その結果、トレーニングの効果が常酸素環境と低酸素環境とでどのように異なるかを明らかにするための資料を得ることができた。
平成24年度の研究では、被験者の体調不良により途中で実験を中止したこともあり、当初の予定よりも若干被験者が少なかった。今後は実験データの精度を高めるためにも被験者を若干名追加して検討を行う予定である。

今後の研究の推進方策

平成24年度の研究において実施したトレーニング実験の被験者を若干増やし、データの精度を高める予定である。
また、一過性の低酸素暴露下での運動時のエネルギー代謝について、これまでに行った実験とは異なる運動強度・運動時間で実験を行い、競技選手がパフォーマンス向上のために有効な低酸素トレーニングを行うための基礎資料作成を目的とした検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、平成24年度に実施した実験を継続し、被験者を数名増加させるための被験者謝金として研究費を使用する。
また、平成24年度まで実施してきた研究で得られた検討課題について新たな実験を行うために被験者謝金として研究費を使用する。
本研究の成果を発表するための学会参加費および旅費、論文の英文校正・掲載料として研究費を使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Effects of low-intensity resistance exercise under acute systemic hypoxia on hormonal responses2012

    • 著者名/発表者名
      Michihiro Kon, Tatsuaki Ikeda, Toshiyuki Homma, Yasuhiro Suzuki
    • 雑誌名

      Journal of Strength and Conditioning Research

      巻: 26 ページ: 611-617

    • DOI

      10.1519/JSC.0b013e3182281c69.

    • 査読あり
  • [学会発表] 高地滞在が女性競技者の運動中の糖代謝に与える影響2013

    • 著者名/発表者名
      前川剛輝、鈴木なつ未、紅楳英信、本間俊行、横澤俊治
    • 学会等名
      第33回日本登山医学会学術集会
    • 発表場所
      京都府京都市
    • 年月日
      20130614-20130616
  • [学会発表] Effects of moderate altitude training on the 1,500-m race performance of elite junior speed skaters2013

    • 著者名/発表者名
      Taketeru Maegawa, Hidenobu Kobai, Natsumi Suzuki, Toshiyuki Homma, Toshiharu Yokozawa
    • 学会等名
      18th International Hypoxia Symposium
    • 発表場所
      Lake Louise, Canada
    • 年月日
      20130226-20130302
  • [学会発表] 自転車トラック競技短距離選手の低酸素トレーニング2012

    • 著者名/発表者名
      本間俊行
    • 学会等名
      第16回高所トレーニング国際シンポジウム2012
    • 発表場所
      東京都北区
    • 年月日
      20121021-20121021

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公開日: 2014-07-24  

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