難治性うつ病患者を対象に修正型電気痙攣治療を行い、施行過程における身体活動時系列データの長期連続計測および24時間ホルター心電計計測を行った。精神行動異常の客観的指標として開発した休息・活動のダイナミクスに関わる行動組織化指標を評価した結果、mECT対象患者では、先行研究での大うつ病性障害患者の結果とは異なり、治療前においても行動変容がみられず、さらに、治療後においても明らかな変化は見られなかった。一方、心拍変動では、交感神経活動を反映する非ガウス性指標がmECT治療後に増加する傾向が確認された。開発指標の限界を明らかにするとともに、難治性患者の病態とmECT治療の奏功機序に関する知見を得た。
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