研究課題/領域番号 |
23700798
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
盛永 美保 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60324571)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 喫煙入院患者 / 一般喫煙者 / 禁煙支援 / ニコチン依存症 |
研究概要 |
平成23年度は喫煙入院患者の調査と一般女性への調査を実施した。喫煙入院患者の調査(平成23年4月~6月分)は、調査対象1745名に対して、調査実施ができたのは1145名(調査実施率65.6%)であった。そのうち喫煙者は145名(喫煙率12.7%)であった。喫煙者の特性は、平均年齢56.7±14.2歳、性別は男性が77.9%、喫煙開始年齢は20.4±4.1歳(最少14歳、最年長40歳)、1日喫煙本数は18.0±10.1本であった。ニコチン依存度の高い者が42.8%、禁煙準備性では、禁煙に全く関心のない者が17.2%、禁煙に取り組んだことがある者は33.1%であった。家族や同居人に喫煙がいる者は33.8%、禁煙支援を希望する者は11.0%であった。入院喫煙患者の禁煙支援としては、喫煙開始年齢が低く、ニコチン依存度が高い対象への支援とニコチン依存は高くなく、喫煙開始年齢が比較的高い対象への支援を考案する必要があると考える。前者は、身体的ニコチン依存度が高いと考えられるため、代替療法を含めた支援が必要であり、後者は精神的ニコチン依存度が高く、習慣や周りの環境の影響が考えられることから、生活習慣改善・行動変容を促す支援が必要と考える。一般女性調査は、A社の健康診断時に調査を実施した。対象は4799名で、平均年齢47.4±11.6歳であった。そのうち喫煙者は16.9%、1日本数は11本以上が61.1%で、平均喫煙年数は21.2±10.0年であった。副流煙への接触状況を尋ねたところ、家庭で副流煙を吸う機会があると回答したものは38.4%(n=4638)であり、職場や外出先で副流煙を吸う機会があると回答したものは43.7%(n=4638)であった。喫煙率が高い女性の集団であることが明らかとなり、また副流煙の接触が高頻度であることから喫煙者のみならず集団への禁煙教育・支援が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
喫煙入院患者の喫煙状況調査は実施できているが、データ入力および禁煙支援介入が遅れている。データ入力については人員の確保が充分でなかったこと、禁煙支援介入については調整および禁煙支援ツール作成に時間がかかったことがその要因である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、喫煙入院患者へ禁煙サポートチームによる禁煙支援介入、一般喫煙者への禁煙支援介入を行う予定である。喫煙入院患者への禁煙支援介入は本年6月頃より実施する予定である。その評価は、禁煙支援介入前後での退院3ヶ月後の禁煙率で評価する。データ入力については、人員の確保を行い、研究の推進に努める。一般喫煙者の禁煙支援介入については、現在調整中であり、講演会等を実施する予定である。禁煙支援介入終了後、アンケート調査により、介入の効果を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
一般喫煙者への禁煙支援介入として講演会を実施するための人件費および啓発用チラシ等の印刷代を計上した。喫煙入院患者へは、禁煙支援介入用ツールを平成23年度予算で作成しているが、さらにコンテンツを増やす予定であり、コンテンツ作成費を計上した。また本研究による成果公表のための旅費を計上した。
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